ホームに上がるとちょうどキハ183系「旭山動物園号」が発車していくところ。

(特急「旭山動物園号」・キハ183-4・札幌駅・2012年9月8日)
2007(平成19)年に旭川の旭山動物園へのアクセス特急としてキハ183系0番代4両を整備。2008(平成20)年には5両編成に整備されました。各号車が動物をテーマとした装飾となっています。先頭車のキハ183形0番代は今や基調な存在でもあります。
2012(平成24)年に札沼線(学研都市線)札幌~あいの里教育大が電化されたため、同線を走っていたディーゼルカーは10月までに大幅に縮小となります。そんな中入線してきたはキハ40系3両編成。
北海道向けキハ40系は1977(昭和52)年から北海道に投入され、両運転台のキハ40形100番代150両と片運転台トイレ付きのキハ48形300番代4両、トイレなしの1300番代3両が製造されました。キハ40系はJR北海道の発足後に様々な改造が施され、キハ48 301~303以外は全車番号が変わっています。
この列車の先頭はキハ40形330番代でした。

(キハ40 335・札幌駅・2012年9月8日)
キハ40形330番代の前身はキハ40形100番代です。キハ400形100番代は、1988(昭和63)年に14系客車を使用していた急行「宗谷」「天北」のスピードアップのために、キハ40 141~149を改造して誕生しました。
エンジンは原形より110psパワーアップした330ps出力のDMF13HZに、液体変速機も変速1段・直結2段のN-DW14Bに換装。車内にはキハ183系500番代並みのリクライニングシートを配置して、洗面所も設置。さらにN-AU400形冷房装置を搭載し、電源用発電セットを床上に搭載しました。
1997(平成9)年にキハ400 141、142、149がお座敷車キハ400 501~503に再改造されました。残ったキハ400 143~148は2000(平成12)年にキハ261系に置き換えられ、札沼線向けに再改造され、キハ40形330番代となりました。
再改造にあたって、リクライニングシート、洗面台、デッキの仕切り、冷房用電源を撤去。711系の廃車発生品を利用したロングシートが配置されました。また冷房装置も機関直結式のN-AU26に交換されています。
塗色も含めて様変わりしたキハ40形330番代ですが、キハ400時代に埋められた窓はそのままとなっています。なおキハ40 335はキハ40 147→キハ400 147だった車両です。
中間に挟まるのはキハ40形300番代。

(キハ40 302・札幌駅・2012年9月8日)
キハ40形100番代141両は1990(平成2)~1994(平成6)年にかけてワンマン運転対応工事を施して700番代に改造されました。そのうち702、748、773、782の4両を1996(平成8)年に札沼線向けに改造したのが300番代です。
300番代は2+1のクロスシートに交換されデッキの仕切りも撤去。そして機関直結式のN-AU26形冷房装置を搭載、エンジンも330psのN-DMF13HZBに換装しました。
最後尾はキハ48形1330番代。

(キハ48 1333・札幌駅・2012年9月8日)
キハ400形と同様に急行用としてキハ48形1300番代を改造したキハ480形1300番代を札沼線向けに再改造したものです。キハ40形330番代同様車内はロングシートが設置されています。
電車の投入が進むとこれらの車両は淘汰されてしまうのか去就がきになるところです。
さて、札幌から721系に乗ってお隣の苗穂に向かいました。

(クモハ721-3020・苗穂・2012年9月8日)
721系3000番代は130km/h対応車で、F-3020編成は0番代のF-21編成を改造した編成です。現在は0番代のF-1~14編成と共通運用が組まれています。
ホームから見えるのは苗穂運転所。

札沼線や函館本線のディーゼルカーの他、「スーパー宗谷」用キハ261系とキハ183系リゾート車が配置されています。
苗穂駅は1926(昭和元)年に開業した北海道鉄道(後の千歳線)が函館本線から分岐していました。1931(昭和6)年には直流電化されて定山渓鉄道の電車が東札幌から乗り入れて来たこともありました。

(苗穂駅・2012年9月8日)
駅舎側のホーム跡はその名残だと思います。
札幌の隣の駅とは思えないクラシックな駅舎です。

(苗穂駅・2012年9月8日)
苗穂の構内には札沼線電化で余剰となったキハ142-201とキサハ144が留置されていました。

(キハ142-201・苗穂・2012年9月8日)
キハ141系列は余剰となった客車、50系51形の緩急車オハフ51をディーゼルカーに改造したもので、キハ141、キハ142、キハ143、キサハ144が改造されました。
キハ142形は、石狩当別方の先頭車でトイレは撤去されています。エンジンは250ps出力のDMF13HSを2台搭載。台車はキハ56の廃車発生品であるDT22を装着。200番代はキサハ144と組んだ時に半自動ドアを制御する機能が装備されていました。なおキハ142形200番代は201のみが存在します。
除雪及び保線用ながら車籍があるDBR600-2もいました。

(DBR600-2・苗穂・2012年9月8日)
そして苗穂駅に隣接する苗穂工場。敷地内にはキハ183-501が置いてあったのが気になります。

(キハ183-501・苗穂工場・2012年9月8日)
右奥には733系、左奥には14系500番代が見えますね。
苗穂工場の構内には711系900番代やフラノエクスプレス、トマムサホロエクスプレスの車両が留置されています。これらはちゃんと保存されるのでしょうか?

(苗穂工場・2012年9月8日)
トラックと衝突時を起こした789系1000番代は、無傷だった2両が留置状態。ダメージを受けた3両の姿は見えなくなりました。
さてさて、そんな苗穂工場ですがこの日は年に一度の一般公開の日なのです。

(苗穂工場・2012年9月8日)
開場は9時30分なのですが会場前から待機列ができて賑わっていました。
次回は苗穂工場一般公開の模様をお知らせします。