【国鉄形電車の思い出】Part15 日光形電車157系はゴージャス車両のパイオニアです | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

日光は今も昔も国際的観光地なのですが、かつては国鉄と東武が熾烈な乗客の奪い合いをしていたことでも知られています。
東武はデハ10系、5700系、1700系と優等列車用の電車を続々投入しました。対する国鉄は宇都宮経由で日光線は非電化というハンデを背負いながらSLの快速列車と運転。さらにキハ10系、キハ55系を優先投入してきました。そして1959(昭和34)年、日光線の電化に合わせて投入されたのが157系準急形電車でした。
157系はは準急形ということで冷房準備工事で登場しましたが、車内は151系と同じ回転クロスシートを装備するなど本来の用途に対してはかなり豪華設備だったので、特別準急という異名も持ちあわせていました。そのため「こだま」の補完列車として特急「ひびき」にも投入され、最終的には冷房装置も搭載されています。
先頭部は非貫通高運転台の独特なスタイルを採用し、また日光線の連続下り勾配に対応するため、国鉄形電車で初めて抑速ブレーキを搭載しているなど、国鉄形電車としてはかなり個性的でした。
さらにお召し列車用貴賓車、クロ157も製造され、伊豆や那須などへのお召し列車に使用されるなど、色々な意味で規格外な電車でした。

後年は急行「伊豆」、そして特急「あまぎ」「白根」に使用されましたが、一段下降窓という構造が雨水による車耐腐食の進行を早める結果になってしまい、1976(昭和51)年にお召し列車用の5両を残して廃車になっています。
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この写真は頂き物です。個人的にもの凄くかっこいいと思っていた形式だっただけに、実車を見ることができなかったのは本当に残念でした。

そしてお召し列車用に残った157系でしたが、電動車4両は1980(昭和55)年に廃車になっていたので、見ることを諦めていたのですが、つい最近解体は1982(昭和57)年だったことを知ってちょっとショックだったりします(汗

ともあれ、電動車を失った貴賓車クロ157は、田町電車区の183系1000番代に挟まれてお召し列車に使用されていましたが、こちらは何回か見る機会がありました。
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(原宿・1982年)
クロ157は、その用途の特殊性からか前面デザインは153系低運転台スタイルで冷房装置は151系のきのこ形AU12を搭載するなど157系であってかなり異彩を放つ存在でした。157系と183系1000番代は屋根高さが異なるので凸凹編成となるのですが、157系はかつて161系との凸凹編成を組んだことがあり、なにやら因縁めいていて興味深いです。

クロ157は1985(昭和60)年から185系に組み込まれることになって塗色も変更されたのですが、1993(平成5)年を最後に使用されていないようです。現在はE655系があるので今後運用されることはないと思いますが、そのうちどこかで保存されることを願う次第。

というかやっぱり157系普通車の実車をちゃんと見たかったなぁ。