寇・・・
(音)コウ (訓)あだ、かたき
① 外から侵入して害を加える敵。賊。あだ。かたき。
② 外から攻めこむ。あだする。
(元寇;『蒙古襲来絵詞』)
(倭寇;『倭寇図鑑』)
現在、北方謙三先生の太平記もの(いわゆる北方太平記)を読み直しています。
つい最近、『波王の秋』とい作品を読み切りました。
南北朝時代の玄界灘に面する九州北部が冒頭の舞台ですが・・・
舞台は九州に留まらず、対馬、高麗の済州島、元王朝末期の大陸・・・それらを繋ぐ海といったものが舞台となっており・・・
この作品、一応 北方太平記に分類されるのですが・・・
日本の南北朝の争いとは あまり関係のないところで話が進み・・・
太平記?といった内容になっています。
国内に反乱が起き、王朝の末期を呈する元王朝・・・
でも、まだまだ巨大な存在であり、鎮圧した反乱軍を先兵(死に兵)と利用して侵略・・・
その侵略先として、日本が予想され・・・その第三次元寇を防ぐために、元王朝の水軍と主人公たちの水軍が戦う・・・。
なお、主人公の軍は、上松浦党水軍や済州島の水軍の出身から成り、両者から協力を得ながら、両者から独立した存在です。
日本の海賊衆を思わせる水軍や、高麗の済州島の水軍から成るので倭寇を彷彿とさせるような感じもします。
ほとんどが架空の人物かと思いますが・・・
実在の人物としては、明王朝の創始者・朱元璋などの元王朝への反乱者が出てきます。
この作品では、朱元璋は利害が一致するため、主人公たちに協力しています。
この作品を読む前に、北方太平記の『武王の門』『陽炎の旗』を読みました。
『武王の門』の続編が『陽炎の旗』という関係ですが・・・
『武王の門』は南北朝時代の九州が舞台で、『武王の門』にも松浦党水軍は出てきており・・・
また、元王朝への反乱し、その後に皇帝となった朱元璋とのやり取りなども出てきます。
そういった意味で、『武王の門』と『波王の秋』は同時代で、作品の舞台の一部が九州という共通点があるのですが・・・
後から発表された『波王の秋』には、『武王の門』に出てくる日本人は出てきませんでした。
ちょっとぐらい出ても良いような気がしましたが・・・。
その代り、『武王の門』『陽炎の旗』などに出てきた戦闘陣形や武器などが、『波王の秋』でもリバイバルされてました。
・『武王の門』の「鳥雲陣」→『波王の秋』の「胡蝶陣」
・『陽炎の旗』の敵船に穴を開ける丸太の武器→『波王の秋』の「独魚」
なお、これらに似た陣形や武器は、その後に発表された作品でもお目にかかっています。




