【な】夏冬(なつふゆ) | 公辞苑(ハムじえん)【第二版】

公辞苑(ハムじえん)【第二版】

吾輩の辞書には「不毛」という文字しかない!

特にテーマもなく、徒然なるままに書き綴ってます。

夏冬・・・

夏と冬。

通常は、一年を四季で分けるが、大まかに夏季・冬季で分けることもある。

服装などは、衣替えを境に夏服・冬服と言われることがある。

 

 

 

 

 

 

 

時々思い出したように、海音寺潮五郎先生の『悪人列伝』を読んでます。

古代篇では、蘇我入鹿、弓削道鏡と続いて、3番目に藤原薬子に関して紹介されています。

 

 

藤原薬子・・・

平安時代初期の女官で、藤原氏 式家の種継の娘。

藤原氏 南家の継縄と結婚し、3男2女を産む。

薬子の娘が、桓武天皇の皇太子 安殿皇子(後の平城天皇)のもとに入内すると、これに伴って宮仕えに上がるが、やがて娘を差し置いて自身が安殿親王と深い関係となる。

これを知った桓武天皇は激怒し、薬子を東宮(皇太子の宮)から追放。

しかし、桓武崩御後に、平城天皇に再び召され、寵愛され、兄の仲成とともに権勢をふるった。

平城天皇が病弱のため嵯峨天皇に譲位すると、その後に平城上皇の皇位回復を仲成とともに企てる。

しかし、この企ては失敗に終わり、薬子は服毒自殺。

 

この企てと一連の事件を、一般的に「薬子の変」と呼び・・・

かつては薬子と仲成が企てたものとされてましたが・・・

実際には、当時の上皇(太上天皇)という地位は天皇に匹敵する地位であり、それが原因で嵯峨天皇と平城上皇が対立関係となり、事件にまで発展したもののようです。

「薬子の変」という呼び名も、平城上皇に配慮したものとも考えられるそうです。

 

 

しかし、平城天皇(安殿皇子)が薬子を寵愛したのは事実のようで・・・

薬子は、自分の娘の夫である平城天皇と できてしまうとは・・・

アダルトドラマの題材に できるくらいで・・・

また、現在のいわゆる「美魔女」に相当するような容貌だったんでしょうね・・・。

 

ちなみに、薬子の夫の継縄は、平城天皇によって太宰帥として九州に遠ざけられたり・・・

これもアダルトドラマの題材に できそう・・・。

 

 

 

 

 

なお、かつて読んだ永井路子先生の『王朝序曲』という作品でも、この薬子の変が取り扱われてていたので、読み直しました。

内容は、桓武天皇による長岡京遷都、平安遷都、平成天皇即位、嵯峨天皇即位、薬子の変とその後が描かれており・・・

主人公は藤原冬嗣、準主役が冬嗣の兄である藤原真夏で、この二人を中心に話が進んでいきます。

 

あ!・・・今回の記事の標題は、真夏・冬嗣 兄弟が・・・その・・・

(´・ω・`)・・・

 

それは置いといて・・・

作品では、冬嗣と真夏の関係の変遷・・・

彼らの父であるうち麻呂との微妙な関係・・・

桓武・平城の親子関係と葛藤・・・

桓武・平城が皇位につくために犠牲となった他の皇子、その怨霊を恐れる桓武・平城・嵯峨・・・

 

人間関係が、いろいろと絡んで面白い作品でした。