1615年に大坂の陣にて豊臣氏が滅んで、400年の今年・・・
今年は大坂の陣に関する歴史小説をバシバシ読んでいこう!
・・・って、ことで今回は津本陽氏の「真田忍俠記」を読んでみました。
津本陽さんと言えば、たくさんの資料を調べて、それを基にした作品が多いです。
あまり情景的な表現は少なく、小説っぽくない感じです。
作者が創作した架空のキャラが出てくることも少ない感じです。
ただ、この「真田忍俠記」は、珍しく猿飛佐助、霧隠才蔵など・・・実際には実在しない人物たちが大活躍します。
また、こういったキャラが活躍するので、忍法などもバリバリ出てきて、蟒蛇(うわばみ)なんて架空の生物も出てきたり・・・
この作者にしては珍しい作品だと思います。
小説の内容は、第一次・第二次の上田城合戦、大阪冬の陣・夏の陣の四つの戦いが中心に書かれてます。
ここに猿飛、霧隠の活躍が絡み、敵忍者に服部半蔵が立ちはだかる感じで展開していきます。
作品やキャラの設定はけっこう面白く・・・
作品の前半はグイグイ読んでいけました。
ただ、後半の方は何となく中弛みな感じで・・・
どうも忍法の展開が単調で、緊張感がない感じなんですよね。
あと情景的な表現が少ないのも、中弛みを感じてしまう要因なんでしょうね。
ちょっと勿体ない感じのする作品だと思います。