沢井の澤乃井-小澤酒造の酒蔵見学 | おだわらぐらし

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縁あって暮らす事になった相模の国 小田原
一杯見て 一杯歩いて 一杯味わいたいと思います

「清流ガーデン 澤乃井園」は 蔵元-小澤酒造さんの経営している軽食やショップの入る公園のような場所でした。









提灯の下がる川辺の飲食スペース。
(川の向こうから見えていたのは ここ だったんですねー。)



飲食ができる所は ここ の他 すぐ隣に「まゝごとや」、その姉妹店「豆らく」 更にカフェ「」 試飲処 もあり、 よりどりみどり~。

でもまずは「酒蔵見学」をさせて頂きましょう。

ガーデン内のショップが「酒蔵見学受付」にもなっていました。(因みに私達は今回 予約して伺ってます。)

受付票を貰い、酒蔵へ。

(この 国道411号線の下を潜るトンネルの向こうが酒蔵、です。)





さて、トンネルから出て、正面にあった蔵を見て「おお ここが」と思ってしまった私達ですが、そこはまだ 酒蔵ではありませんでした^^;)

坂を上がった先、が その先に建つ蔵への入口、だったのです。


まず
蔵の前には 小澤家の住宅が建っていましたが、これが又 立派で趣があって・・・とても素敵だったんです。

(↑これは帰りしなに道の向こうから撮った絵)

(↑トンネル出口)






(↑あちこちに花菱が。/尚 小澤家の家紋としては「井桁に武田菱(花菱)」だそうです。)


そろそろ時間。見学会が始まります。

配られた資料。


挨拶に続いてはまず杉玉(酒林)の説明ー。

↑実は小澤酒造さんではこの前の週に「新酒」が出来た事を知らせる新しい杉玉を吊るされたそうです。が日の当たる上半分はすでに茶色に~。(この後蔵の中で 同じ日に作ったという杉玉を見ましたが、そちらはまだ青々としていました。)

「酒酒小屋」という札の掛かる入口から入館。

そして 改めて蔵、の前へ。

手指 靴底を食毒して入館。

(↑戸口の上に 注連縄 更にその上に 神棚。大切な 大切な場所、なんですねー)

ここは「元禄蔵」。/ 窓がなく ひんやりした空気が漂っています。(壁が厚いので 年間を通じての温度変化が小さい、そうですよ?)

小澤家がいつから酒造りを始めたかは 不明だそうですが、確認できる一番古い記録が元禄15年(1702)で 「少なくともこの時にはすでにお酒を造っていたはず」との事。 今ある蔵は創業時からの物を手入れしながら使っているといいますから (多分)300年以上、 お酒を造り続けている蔵、なんですねー。

しかしそれでいて、蔵内に並んでいたのは 琺瑯の貯蔵タンクでした。


書かれているアラビア数字にはもちろん意味があります。



タンク一つひとつを識別する いわば「名前」、下は容量(リッター数)。

あ、木の樽もありました。

(↑木の樽で造られるお酒もあるとの事_)

「上槽室」_お酒を絞る機械の入る部屋(の前)。

丁度 絞る作業が行われていました。(いつも見られる光景ではありませんからねー、これはラッキー!)


↑この小タンクに出てきたのがお酒、機械に下がる沢山の袋(←蛇腹のように見えているもの)の中に残ってるのが酒粕。ですね。

ここでは酒造りについてもレクチャーを受けました。

↑原料となるのはお米。酒造りには「山田錦」というお米が使われる~ というのは 耳 では知ってましたが 見た事はありませんでした。普通のお米(ここではコシヒカリ)と比べて粒が大きい、んですね?
しかし その粒の大きな山田錦の玄米を、酒を造るためにまず 削ります。(玄米の外の方は タンパク質や脂肪が多く これは酒の味や香りを悪くするのだそうで、 大吟醸では50%以上カットする必要があるのですって。)

↑削られた(精米された)山田錦は ほとんど茹でる前の小粒タピオカ。(一番右)
↓削りかす に相当する糠、二種。

(↑玄米の外の方は 赤糠に、中の方は 白糠に、なるんですねー)
尚、精米は 赤糠を外した後は 米が割れないよう ゆっくり 時間をかけて 行う、との事でした。 

「明治蔵」に移動。

三階建ての大きな蔵です。

平成に入って この奥に「平成蔵」ができるまでは この蔵で仕込み等を行っていた、との事。(という訳で現在は 平成蔵でお酒が造られている、んですね?)

ん?ここは? 

お酒が並べられています・・・。


↓ラベルに「熟成 蔵守 / 2017年 生酛(キモト)純米吟醸」とあります。

これは「長期熟成酒」、「古酒」とも呼ばれるお酒を 寝かせている所 だそう。/ 好みが分かれるお酒なのか 説明して下さった方が「よろしければ 利き酒処で 試飲をなさった上でお求め下さい」って言ってましたー。


最後に 「お水」を見せて頂きます。


↑「澤乃井を造る ふたつの湧き水 / 澤乃井は、蔵の裏山にある通称『蔵の井戸』と、多摩川対岸の山深く20年ほど前発見された『山の井戸』のふたつの湧水を持っています。
いずれも『鉄分やマンガンといった不要な成分が少なく、有機物をほとんど含まない』という仕込み水としての要件を高いレベルで満たしています。
 性質の違うふたつの水によって広がる酒造りの可能性。いつれも奥多摩の自然からの贈り物です。」

二つの井戸のうちの「蔵の裏山にある通称『蔵の井戸』」~ というのは、 本当に 蔵のすぐ裏、 にありました。

この横穴式の井戸がそれ。


↑「この水は 高水山を源とし 秩父古生層の厚い岩盤より涌き出でたる 石清水です
 東京名湧水五十七選
  平成十五年二月十七日」

中に入ってみます。

奥の左手に 湧き出し口。


(↓写真ではわかりにくいのですが、水は 中央の穴の 右手の穴、 二つの穴から湧き出していました。)

この水があってこその澤乃井、なんですねー。


最後に資料室(?)に集合して解散、したのですが_
ここに 緑の杉玉がありました。

なんと 表で見た「半分茶色くなっていた」あの杉玉と 同じ日に作られた物、ですって。(当然といえば当然ですが、日に当たらなければ緑は長持ちする、んですね)


壁に飾られていた沢蟹の絵。


そういえば沢蟹の意匠、 澤乃井にもついてますよねー。(+瓶のキャップにも沢蟹が描かれている、そうです。)

沢蟹は 「沢蟹がいるほどの澄んだ水の湧く沢井(←ここの地名)」 を可愛いらしくアピってたんですね。

あー おもしろかったー。


さて見学の後はー・・・。

ガーデンに戻って「唎酒処(キキザケドコロ)」へ。



ここでは小澤酒造さんのお酒が 色々試飲できるのです。

↓リスト。

(値段は「おちょこ付」で、お代わりは100円引き。_つまり おちょこが100円、なのね?)
オススメは1 2 3番ですって。

_という訳で 亭主は1番の「凰(コウ)」を。

私は 7番の梅酒「ぷらり」を頂いてみました。

日本酒で漬けた「ぷらり」は、 ふくよか な梅酒でした。

亭主はお代わり、で熟成酒の「蔵守」に挑戦。

んー・・・?←というリアクション。私もひとなめさせてもらいましたがー、、、 さっき見学会で説明係さんがおっしゃってた通りだ これは好みが分かれるお酒かも。でした。(寝かせているので 当然ながら フレッシュさ が無いのです。日本酒の美味しさを「フレッシュさだ」と思っている者には「あれ?」なんですよねー。/ でも「味の濃い料理とは合う」らしいですよー?)

でも 試飲できる、ってイイですね。納得してお酒が買えますもん。


(↑唎酒処の窓際から 下のガーデンの売店 飲食棟の屋根を見たところ_)

この後は 一階のギャラリーを覗き、

もう一度ガーデンを歩きました。



あら、川辺にも下りられます。




おっと、電車の時間が近づいてます。駅へ向かいましょう。





国道411号線に出たところ_。

(↑道の向こうの主屋の裏手に さっき見学させてもらった蔵が建っている、んですね?)

「沢井駅入口」交差点(三叉路)。

駅への道は_ 思ったより厳しかった。

ストレッチしながら歩いてる~?みたいな坂だったのです。

がこれは 歩くべき道、でした。澤乃井のタンク群が眺められましたのでねー。

(↓溜められているのは 対岸の山から送られる~という水かなー? 石垣に説明板とか付けて下さらないかなー?)


さっき渡ってきた交差点、を見下ろしたところ。

再び坂を上がります。

右手の塀の途中に「休憩所」が現れました。

(休憩所を 有難い と感じる登坂者、いらっしゃると思うー。)

↑塀の窓の下に「神合坂休憩所」というプレート。(ここ神合坂という坂だったんですねー)
↓もしかして蔵を見下ろす事ができるかしら とフェンスに近寄ってみましたがー・・・

残念、見えませんでした。

坂も そろそろお仕舞、に。


(↑左右 どっちへ行ったらいいのか わかりにくい複雑な道。が、答えは「どっちへ行ってもOK」でした。。。)

(でも歩行者的には 道路の下を潜るルートの方へ「沢井駅 すぐそこ」とか書いてほしかった かも)


坂が終わると 駅の跨線橋が現れます。

えー又のぼるの?

_かと思いましたが、跨線橋は線路のあっちとこっちを結ぶ連絡橋で、鉄道利用者は直接ホームに向かえばよい、のでしたー。





(↑駅名板に「酒蔵」の文字。)

ホームに立ち 青梅行きの電車を待ちます。



↑ん? んー??? / ふつり と終わっている線路。これは?
↓あ、南側の線路は もう生きてないんだー。

(多分 駅のバリアフリー化等のためとかで 利用者が駅南側から直接ホームへ上がれるようにした、のでしょう。しかし 線路が一本だとすれ違いのやり過ごしができませんよねー・・・大丈夫なのかしら?)

あ、電車 きました。


(宿のある)「石神前」まで戻りましょう。/つづく