本日は二十八先生の新著を立ち読み。
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中国武漢市発の「新型コロナ・ウィルス」が、世界史の流れを不可逆的に変えつつある。ヒト・モノ・カネが、国境を越えて、自由に無制限に、地球上のすきなところを行き交う――いわゆるグローバリズムが漫然と信じられた時代は、もう終わった。
近い将来に、わが国を含めた近代自由主義諸国は、個人の自由に関する価値観が根本から相容れない中国を筆頭とした《反近代》主義諸国の悪影響をブロケイド──鎖国状態を外側から強制すること──によって防ぐしかなくなるだろう。
そのとき機雷は、反近代主義諸国との国境の交通を遮断してしまうための、有力で、そのうえある面では人道的ですらある軍事的オプションとして、これから注目されるはずだ。
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とのことで、機雷の歴史・技術・戦訓と中国を封鎖するには…的な内容。
編集が無能なのか、先生がズレているのか、とのっけから疑問。
中国武漢市発の「新型コロナ・ウィルス」はきっかけであって、コロナウイルスが世界史の流れを不可逆的に変えつつあるではないですよね?
China 2049(マイケル・ピルズベリー)、米中もし戦わば(ピーター・ナヴァロ)などに見るに、オバマ政権末期の2015年頃から米国は(支那を経済成長させたのは間違いだったんじゃね?)と対中敵視に変化してますよね?
中国がG2論・太平洋2分割提案・南シナ海軍事基地化・一帯一路・Brics銀行・人民元SDR入りで米国の覇権に挑戦、何度言っても知財窃盗・サイバー攻撃を止めないから、トランプが2018年に国防権限法で支那切り離しをスタートさせてますよね?
だから、重ねていいますけど、<<「新型コロナ・ウィルス」が世界史の流れを不可逆的に変えつつある>>ではないですよね?
だって、新型コロナがなければグローバリズムは終わらなかった…という話じゃないですやん。
新型コロナがなくても、米国は支那切り離しを強化していったことは間違いないんだから。
まあ、それはさておき、ざっと流し読みして、
・第8章 米軍の国際法解釈と、次世代の《新機雷》の方向
・第11章 「中共軍の機雷」vs「.海上自衛隊の機雷」
・あとがき
だけマジマジと読んでおけばいいかな、という感想。
以下は雑感。
・機雷について触れるだけでなく、掃海作業や能力についてもより詳しく解説すべきかな、と
・湾岸戦争で自衛隊が掃海作業に派遣され、掃海・掃討能力は技量についてはともかく、装備については諸外国に(特に掃討分野で)大きく劣ることが明らかになり、諸外国の掃海・掃討装備を導入したことについて触れてない
・海中型ドローンの開発・運用について解説すべきこと
特に海中型ドローンは偵察・機雷・魚雷・巡航ミサイル的運用がありうるわけで、「米露中の技術動向を把握しているのか?海自は攻撃・防御ともに対応できているのか?」と問えば、(全然やってないから出来てるわけないだろ?)じゃないのかな、と。
機雷の歴史・技術・戦訓の詳細さと比べて、「現時点及び近未来ではどうなのか?」についての考察が不足しており、購入するには至らず。
機雷といえば石川製作所(6208)。
2017年に北朝鮮の核開発→防衛銘柄のカタリストで660円以下から4400円超まで上昇。
よくよく考えれば、北朝鮮相手にそこまでの需要は生じないはずですが、対中国を意識した場合、封鎖すべき海岸線・港湾は桁違い。
しかし、2020年1月高値2573円→2020年3月安値965円→9/2終値1865円。
今の所は、株価は対中ブロケイドを予見しているようには思えませんな。