ある日、天下人豊臣秀吉は、連歌を習おうと里村紹巴を招いていた。

 

「奥山に もみじを分けて 鳴く蛍」

秀吉はそう、一句読んで見せた。

これに文句を言ったのは紹巴だった。

「殿下、蛍は鳴きません。それに、蛍は夏の季語。椛は秋の季語です」

実は秀吉の句、猿丸太夫が詠んだ、百人一首にも入っている「山奥に 椛踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」という句の本歌取りのつもりだったのである。

 

紹巴に反論したのは同席していた細川幽斎だった。

「いや、蛍は鳴きます。鳴きまくります。千載和歌集にも『武蔵野の 篠をつかねて 降る雨に 蛍よりほか 鳴く虫もなし』という句があります。蛍は鳴くのです」

そう言ってのけたのである。

 

しかし、そこは紹巴とて連歌の師として招かれるほどの人物。

「千載和歌集は何度も読んだけど、そんな句は無かったぞ?」

「殿下のご威光の前では蛍も鳴くのです」

そう言って、幽斎は笑った。

その場は幽斎のおかげで丸く収まった。

 

連歌会の後、紹巴は腑に落ちずに幽斎に聞いた。

「なぁ、さっきの句、本当に載ってた?」

「ああ、あれは即興で作ったのですよ。あんまり固いことを言って秀吉様が連歌に興味を持たなくなったらどうします。そしたら、あなたは無職になりますよ」

そう言われ、紹巴は返す言葉も無かった。

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幽斎はこの手の即興・頓智・諧謔の効いたエピソードが多いですな。

 

別バージョンだと、秀吉が「ワシが鳴けと言って鳴かぬ蛍はない!」と一喝するものもあるようです。

紹巴も内心、(そりゃ殿下はょうじょから未亡人まで、仏書院文庫的に鳴かせたり、啼かせたり、哭かせたりしてるんでしょうが、流石にホタルは無理でっしゃろ…)と思っていたことでしょう。

 

道長も、平家も、秀吉も、大日本帝国も、ナポレオンも、ヒトラーも、自らの才幹・器量・努力・強運で数々の困難を乗り越え、数多の栄光を築き上げてきたわけですから、中畑清ばりに「絶好調~!」と絶叫しても(まあ、実績を考えたら気持ちはわからんでもない)。

 

「唐入りじゃぁぁぁぁ!!」

「帝国陸海軍は今8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」

「ロシアを攻めるやで~」×2

(大丈夫?)と疑問に思っても、それまでの実績が目を曇らせ、「お前はXX様を疑うのか?お前はそんなに偉いのか、凄いのか?」と問われれば、(……)と返す言葉もない、となりますが、そうは取次が搬送しない。

 

満ちれば欠ける、亢竜悔いあり。

「イケる、イケる、まだまだイケますって!」とカイジの何とか君みたいにイケイケドンドンを続けるうちに、いつか気づけば泥沼に…。

 

20日、ソフトバンクビジョンファンドのパートナーである、デービッド・テブノン氏が辞任というニュースが流れました。

ビジョン・ファンドの担当者はコメントを控え、テブノン氏にコメントを求めるも返答なし、とのこと。

 

3000億円以下の投資は経営会議の決裁不要という、運用者にしたら資金量・制約のなさ・報酬とどれを取っても魅力的なファンドから何故に逃げ出す?

一寸先は闇、しょせんは未来の見えないゆかぴょんの予想に過ぎませんが、先行きを暗示しているように思うのですが…。

 

来年8月13日には国防権限法のギアが上がり、11月にはトランプ再戦(するとゆかぴょんは予想しています)。

その頃には趨勢が明らかになっている、と予想します。

(といっても、では日経平均は、SBGの株価は?と聞かれても、正直よくわかりませんけどw)

 

来年は楽しみだな~と暢気に構えるゆかぴょんなのであった。ちゃんちゃん。