横浜DeNAの井納翔一選手が、妻への悪口をインターネット上に書かれ、裁判が行われることになったそうです。
(フライデー2月9日号 ・2018年1月26日発売)で記事になっているようですね。
匿名掲示板の名無しさんやハンドルネームを中傷したところでどこの誰かはわかりませんから訴訟になりませんが、「中傷された人が第三者にわかる」なら名誉毀損となり、訴訟はありえます。
しかし、この程度で200万円請求出来るようになったら、有名人はジャンジャンバリバリ、訴えたり、訴えられたりするようになるんじゃないですかね?
本件、おおよそ以下の流れのようです。
【2017年7月】
Aさん(20代・女性)が、投稿されていた井納選手の奥さんの写真を見て「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」という奥さんと井納選手に関する誹謗中傷を匿名掲示板に投稿。
↓(弁護士に依頼)
↓(掲示板の管理者にIP開示請求)
↓(プロバイダor携帯会社にIPアドレスを伝え契約者情報開示請求)
【11月末】
Aさんに通知文(名誉棄損)が届く。
↓
【12月末】
Aさんに訴状が届く。
井納選手妻はAさんに対して191万9,686円の支払いを請求。
訴訟費用はAさんの負担となる。
↓
【2018年1月初旬】
「第1回口頭弁論」の呼び出し状が届く。
一般人が訴状が届いて、200万円+訴訟費用を負担せい!とされたらビビリますよねw
確かに、このAさんが悪いといえば悪いんでしょうが、こんな訴訟が罷り通ったら「万人の万人に対する闘争」になって、弁護士・司法書士業界に過払い金バブルに続く名誉毀損バブルが始まっちゃいますよw
そこで、まずは、ひろゆきの民事訴訟に対するスタンスをご紹介w
(ひろゆき)
・裁判は弁護士をつけず、欠席裁判で敗訴でいい
・賠償金は支払わなくてもどうということはないので支払わない
・賠償金は支払わなければ死刑になるなら払う
・賠償金に関しては支払わなくても刑事罰が発生したりすることはない
ただ、これはひろゆきだから出来ることでもあるよね。
これが出来る人の条件は
①不動産を所有していないこと(競売にかけられるから)
②高額な動産を所有してないこと(動産執行されるから)
③原告にバレる自分名義の貯金がないこと(強制執行されるから)
④給与所得者じゃないこと(給与差し押さえされるから)
⑤裁判所や債権者からの郵便や電話等の督促に動じない精神力を持っていること
Aさんの場合、OLということなので④に該当し、③も原告が自力で口座を見つけないといけないとはいえ不安でしょうから、出席せずに敗訴(相手の主張が100%通る)は避けた方がいいのでは。
ゆかぴょんだったら、一応出席して抗弁してみますな。
戦術としては2つ考えられます。
①素直に謝る
「すんませんでした、マジ勘弁してください」という低姿勢で請求額を値切る。
和解に持ち込めば、通常は弁護士費用までは上乗せされないようです。
②開き直る
「いちいちこの程度で訴訟してたら、日本中訴訟だらけになりますよ、裁判官の皆さんにも迷惑でしょうが!」
「たかがこの程度の書き込みで何で200万円なの?野球選手とその妻はそんなに偉いの?」
どちらにせよ、請求額の200万円は過大で認められないでしょう。
おそらく、慰謝料の相場からして20~30万円+訴訟費用(※)ぐらいかと。
情報開示費用が77万円かかっているらしいですが、(弁護士に依頼して開示請求するので)これは弁護士費用に含まれることになると思います。
※訴訟費用の範囲と計算
判決の主文で費用負担が定められる訴訟費用には、弁護士費用は含まれません。 訴訟費用に含まれるのは、多くの場合は、申立手数料(訴状や控訴状等に貼った印紙)、予納郵券のうち使用された部分(被告や被控訴人等への送達費用)、当事者・代理人の出廷のための旅費・日当・宿泊費、書類作成提出費用です。
弁護士費用は不法行為に基づく損害賠償請求(交通事故、犯罪被害、不倫の慰謝料請求等)にしか認められないでしょうから、原告側負担。
そして、その上で「払うとは言ったが、払う金はない!」
頑張って給与を差し押さえるか、口座を突き止めて強制執行してください、とする。
だって、これって「金ならあるんや!訴えたる!」のDQN訴訟でしょ?
まあ、そうした場合、「金ならあるんや!893に頼んで…」となるリスクもあるけどw
何故か、ゆかぴょんの見た掲示板では
「誹謗中傷を厳罰化すべき」
「この程度で大人気ないとかこの程度で訴訟されたらネットで気軽に発言できなくなるって言ってる人いて、あっやっぱ加害する側ってその程度の認識なんだな~と思った 気軽に発言できなくなる~って、いやいや気軽に侮辱すんなや」
とポリコレ的な正論が多いのですが、お前ら正気か?
この程度で200万円+訴訟費用の請求が罷り通るのなら、殺人・傷害・(無保険車の)交通事故の民事賠償なんてどうなるのさ?
いや、それはそれ、これはこれで、この程度の誹謗中傷でも200万円ぐらい取ってイイ!ということ?
だったら、闇のキャンディーズこと坂本秀樹・元新潟日報報道部長なんてどうなるの?
「死ね。それとも、殺されたいのか?」
「お前の赤ん坊を豚の餌にする」
「これから君のこと洗わせてもらうわ」
「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」が200万円なら、これはいくらが妥当なんですかね?
あるいは、ワイドショーのコメンテーターが犯罪の容疑者に
「親の顔が見てみたい」
「非常に悪質」
と全国放送で発言し、実は全くの無実だったことが判明したら、そりゃ名誉毀損でお詫びの放送と1000万円ぐらい賠償しないといけないですよね?
小さな正義を振りかざし、全体感を持たないポリコレ脳には呆れますな。
ちなみに、法務省によると
・賠償金をまったく支払わない人は37.1%
・賠償金が「全額」支払われたケースは全体のわずか30.5%
なんだとか。
どこまで強制性をもたせるか、日本の法曹界を信用していないゆかぴょんには悩ましいところではありますが、『被害者やその家族のうち約70%が賠償金を全額受け取っていない』という民事訴訟の実効性のなさこそ、もっと優先的に解決すべき課題なのではないでしょうか。