「カメラ・視覚型はさ、人間のやってることをAIが代行するイメージでしょ。

  車単体で、ドライバーがすることをコンピュータが代行するわけさ」

 「???」

 「ところが、センサー型は都市インフラを整備して、都市全体の交通の

  流れとか、他の車、自動運転が前提だと思うけど、その各々をネット

  ワークで管理して全体最適とか、群体で最適の動きを制御すること

  まで考えてるっぽいのね。」

 「勿論、カメラ・視覚型だって、ネットワークに繋げれば同じことが出来

  るんだろうけど、モービルアイとか富士重工のアイサイトを見る限り、

  今はそこまでは考えてないっぽいのね」

 「ふんふん、でも、それって、凄いコストがかかるんじゃ?」


 「確かにね。でも、グーグルは既に都市の交通・エネルギーの

  効率化を図るための新会社を設立してるんだよ」

 「そんでね、その手のプログラム、サーバー、ネットワーク構築、

  トヨタとグーグルとどっちが上手くて正確で早いと思う?」

 「そりゃー、グーグルでしょうな」

 「でしょ。いや、日本だって、日立や東芝、三菱電機等の重電メーカー

  もスマートシティに取り組んではいるんだよ」

 「でもさ、そこにAIとスマホ=Androidの要素を加えて、スマートシティ構想

  を見直すと、圧倒的に有利なのは・・・」

 「・・・グーグル!!」

 「になるんじゃないのかな?」


 「今回のオールジャパンの自動運転の発表ってさ、おそらく自動車単体

  で考えてるベースっぽいじゃない。自動車とその部品メーカーが都市

  インフラを整備できるとは思えないから、重電メーカーが入っていない

  段階で危険な雰囲気を感じるわけさ」

 「たしかに」

 「それにさ、そんな都市インフラを米国、欧州が他国のメーカーに任せる

  かな?」

 「それは確かにありえそうにないですな」

 「でしょ。仮に任せたとしても、グーグルが日本のスマートシティ設計は

  出来そうな気がする。だって、グーグルマップとストリートビューをあっと

  言う間に整備できたからね。アレを日本の会社が世界中でやるとしたら

  どれだけ時間がかかったか。てゆーか、その発想が出てこないだろうし、

  やろうとしたら、国防上の理由で各国に拒否されるんじゃないかな」

 「で、日本のメーカーが米国や欧州のスマートシティの設計をする能力

  があるか、あったとしても、受注できるかというと・・・」

 「当局との折衝からして出来そうにないし、受注もできんでしょうな」


 「と思うわけですよ。でね、話はまだ続きがあってさ、スマートシティは

  ともかく、自動車がPCのイメージでネットワーク機器になると思えば

  まだ日本の自動車メーカーもいけるやん!という気もするでしょ」

 「そう言われれば何となく・・・」

 「でもさ、それって、自動車のコモディティ化だよね。電機業界と同じ

  運命の匂いがしてこない」

 「・・・確かに」

 「制御プログラムなんかのソフトウェア、トヨタもプリウスなんかでの

  蓄積はあるだろうけど、都市のシステム設計とネットワーク化、その

  セキュリティなんかは、グーグルとかのアメリカのIT企業にどれぐら

   い対抗できるかな」

 「トヨタは考えてもなさそう。重電メーカーでも不安ありありですなあ」

 「そして、自動車がPC化した時、見た目等のブランドイメージだと?

 「BMW、ベンツ、それにアップルみたいにアメリカのベンチャー会社が

  斬新なのを打ち出してきたら」

 「ヤバい気がするよねー」