あと一カ月 | ロゼッタへの道

あと一カ月

 かつて私が通っていた大学では、5月の連休明けに授業が始まり、ぽこぽこ休校が入ったかと思うと、7月に入ったら授業はなくなり、夏休みになりました。祇園祭には、もう夏休みでした。前期の授業はせいぜい6回から8回。それがいまや、前期だけで15回やることが文科省やら厚生省やらの指導で義務づけられるようになりました。いまや夏休みは8月4日から(!)。いったいどういうことなんでしょう?
 私の学生の頃は、あまりに授業が少なくて暇だったので、しょうがないから勉強するかって感じで、学生たちは適当に集まって議論をしたり読書会を開いたり、映画をみたり、絵画展に行ったり、自主的に文化活動をしてました。それが今では「授業が多すぎて本を読む暇がありません」という愚痴を学生から聞くくらい、忙しい学生生活になっているようです。文化が育つには暇があるのが第一なんですけどね。

 教員は自分の専門知識を学生に熱心に伝えようとしますが、学生の皆さんはそういう人たちの相手をして時間を過度に奪われないように、できるだけ自衛してほしいもんです。教員も学生も、抱えている将来への不安を授業することで埋めているだけの話で、実際には頭がよくなるわけでもないですから。
 
 Too much works makes Jack a dull boy. (働きすぎはジャックを馬鹿な子にしてしまう)

 というわけで、夏休みまであと一月以上。いつまでこんな時代が続くことやら。


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