キャンパス | ロゼッタへの道

キャンパス

 今日は所用があって、雄琴の成安造形大学に行ってきました。用事はすぐに済んだのですが、お腹が減っていたので3時頃なのに空いていた学内のレストランに入り、カレーを食ってさっさと帰ろうと思ったら・・・


 「うまい!」


 ミンチカレーセット。500円。学食価格。なのに、おいしい、おいしすぎます。目の前でレトルトの袋を切って注ぐうちの大学の学食と違って、れっきとした手作りです。貪るように食べ終わってから、いろいろと周囲を眺め回して、合点がいきました。このレストラン は、どうやら大学生たちが地域連携の一環として企画したもので、それなりに有名な業者に運営をしてもらっているようです。

 
 けっこう広い。学生(?)たちが勉強会もしていた。

 興味が湧いたので、キャンパスをくまなく歩いてみました。土曜日だというのに、キャンパスにはけっこう人がいます。しかも、親子連れやおばさん二人連れもちらほらいて、グランドでは子どもたちが遊び回っています。「こんな山の上にある交通も不便なところなのに」と不思議に思いながら、他方ではなんとなくほっとする感覚を覚えました。

 「そういえば昔自分が大学生のときは、キャンパスを子どもが走り回っている風景なんて珍しくもなかったよなあ」と思い出しながら、反対に今の自分が働いているキャンパスがあまりに寒々しいことをあらためて痛感しました。学生も授業が終わったらもさっさと逃げ出しているけど、私自身でさえ土・日にキャンパスにいることに苦痛を感じるくらいだから、まして市民の人たちや子どもたちが遊びに来るなんてありえん話です。まあ、来てほしくもなんだろうけどね。


 ところで芸大って、私も昨年まで別の芸大で非常勤で教えてたんですけど、そもそも管理教育になじまないところがあって、けっこう自由で開放的な雰囲気が保たれているところが多いようですが、ここのキャンパスにもいろんなオブジェ(粗大ゴミ?)がそこいらに転がっていて、子どもたちが勝手に遊んでいました。まあ、芸大だったら地域連携どころか地域破壊するくらい、もっとアナーキーでもいい気がするけど。

 
 女性の足のオブジェ。大人も子どもも触りまくってた。



 子供たちがグランドを走り回ってた


 この数年ですっかりキャンパスが憩いの場だということを忘れ去っていましたが、この雄琴の大学はそういう当たり前のことを思い出させてくれました。新しい大学のわりには校舎は安っぽいし、ゴミや残骸がいたるところに散らばっていて、テレビ映えするきれいな建物と他大学がモデルにするほどの厳しい学生管理を誇る、うちの大学のキャンパスとは対極的でした。思想が正反対だから、うちの大学にこのキャンパスを見習えって言っても、「コストが云々」「事件が起こったらどうするんだ」「利用申込み書に記入させろ」みたいな話になるんだろうな、きっと。学生にたいしてさえそうなんだから。


 ああ、そうか。俺はこういう雰囲気に飢えていたんだな。他大学の教員だけど、暇があったら足を運んでみよう。