肩こり | ロゼッタへの道

肩こり

 来年度のカリキュラム作成という大きなヤマを越えて、教務担当者としてはかなり気が楽になりました。もちろん、まだまだ修正はあるのですが・・・。とにかく今は肩こりで首が痛いです。


 ところで、こうやって日常生活で人間社会とかかわっているのに、研究対象も人間社会っていうのは、ときどきすごくイヤになることがあります。とくに業務や私生活で人間社会の嫌らしいところに触れると、ひとりで動物園や植物園に行ったり、天体観測をしながら一日中過ごしたいと思うことがあります。


 以前、うちの父親の葬式で弔辞を読んでいただいた知人の精神科医によれば、うちの父親と彼は大学時代に天文学の話をつうじて仲良くなったそうなのですが、その理由として「天文学に没頭することで、二人とも戦争という人間社会の狂気のなかでかろうじて正気を保っていたのだろう」と言っていました。


 天文学にかぎらず、人間世界以外の世界ついての学問は、たとえ商売の種や治安維持の役に立たなくても、人間精神の健康にとって非常に重要な役割を果たしているに違いありません。かつて分裂病と言われた人たちの妄想にときどき宇宙人が登場するのも、そうした妄想がじつは正気を保とうとする試みであると示しているのかもしれません。


 若いときにもうちょっと天文学や生物学、植物学について知識を得ていたら、今のように肩こりに悩まされずにすんだのかもしれない、と今さらながら後悔しています。