先週末、午後休をとって東博に二度目の仁和寺展に行ってきました。

金曜の午後をナメてました…。


じーちゃんばーちゃんがわんさか溢れかえってて、とてもじゃないけどゆっくり鑑賞してられない!



もう、目的のモノだけを掻い摘んでみればいいや!って、半ばヤケクソ。

葛井寺の千手観音さまと、小さなお薬師様(大行列で規制かかってたけど、守っちゃいない)が見れたから満足だよ。


千手観音さまは、背後より左右からのお姿が圧巻でしたね。
ありゃすごい。


というわけで、東博を早々に退散して急きょお隣の国立科学博物館でやっていた

『南方熊楠 -100年早かった智の人-』
https://www.kahaku.go.jp/event/2017/12kumagusu/

を楽しんできました!


今週末で終わっちゃうんですけど、いやぁ~、やっぱりこの人は天才ですね。
そして、とっても努力家で勉強家で探究心があって、とにかくすごい人ですね。


企画展ですから展示スペースはさほどないんですけど、
あの時代の限られた器具や知識や資料の中でどれほどの功績を残したか、改めて思い知らされました。


神社の合併や合祀反対運動もしてた方ですが、その理由が彼独特なのも好感ですね。

鎮守の森を壊してはいけないっていう…。



戦争反対に繋がるのかもしれないけど、
けっきょくのところ、かれにとってはそこに森があって、研究対象となる植物や微生物や菌があることが何より大事だったんだよね…。


写真撮りOKだったので少しご紹介します。

これは“抜書き”といって、ある一つのテーマについてあらゆる資料からそのものに関する情報をかき集めてメモしたもの。

このテーマはトラ。
資料として使ったのがこの洋書の百科事典。



どんどん書き加えるから余白が多くないとダメで、新聞の裏などを使っていたそうです。



字が小っちゃくて、でもとっても綺麗(かといって何が書いてあるかは読めないあせる)。



当時は写真もコピーもないから、ひたすら書くしかない!


字も、絵も、全て。



しかし、熊楠さんの根本的なすごさは、こういうデータを書いてあるにせよ、頭の中にもちゃんと蓄積されていて瞬時に判断できちゃうことだよね。


で、そんな熊楠さんの頭の中を例えてこんなのできてた!


Kumagle




検索したいものを入力する(テーマだね)

すると、それに関する膨大な資料がズラーッと出てくる(かき集めたいろんな資料だね)。

そこからピックアップする(抜書きってやつだね)。

そして、答えを見つける。


これが頭の中でできちゃうんだもんなぁ~。
すごい人だよ。


当時熊楠さん本人が使っていた調査道具と、




現在一般的に使われてる調査道具も並んでた。





The 日本!ですね~。

これでも、今とほとんど同様の調査結果を得られていたんだからすごいよ。


昭和天皇に御進講で標本をお見せになるときも、熊楠さんはキャラメルの箱を使用したというのは有名な話。
昭和天皇も熊楠さんのことが大好きだったんですよね~。

そんなエピソードなどももちろん紹介されています。






傍から見たら“変人”って言われかねない人物だけど、今だったらちゃんと理解してもらえてただろうね。
いや、まぁ、当時もすごい人物だって認識はされてたんだろうけどさ。


そういえば、熊野にお参りに行ったときに、何処の参道だったか熊楠さんのお家がありましたね。
彼にとってはそこに神さまがお住まいになってるってことより、鎮守の森があっていろんな生物が生きてることの方が重要だったんだろうな。



というわけで、会期末はもう間近なのでなかなか難しいとは思いますが、通常の入館料で楽しめるのでお時間のある方は是非どうぞ。


余談ですが、
東博の『アラビアの道』も面白かったです!


これはまだ半分しか楽しめてないので、またそのうち行こうと思います。