島原から北上すること約10分。
住宅街の中にある壬生寺に着きました。



新撰組と言えばココ!ってくらい、名の知れたお寺です。


創建は三井寺の快賢という僧侶で、融通念仏の円覚上人が中興の祖とされ、今は巡り巡って奈良・唐招提寺の末寺として京都では珍しい律宗のお寺となっています。

何年か前、唐招提寺の法話会にいらしたのが壬生寺のお坊さんで、その時初めてこの事実を知ってとっても驚いたことを覚えています。



ご本尊は地蔵菩薩さま。
ご本尊が火災で焼失したあとに、本山の唐招提寺からお招きしたお像だそうです。

けっこう大きなお地蔵さまで、迫力ありますね。


私の勝手な考えですけど、
お地蔵さまがご本尊のお寺って、わりとお地蔵さまのサイズに合わせたようなこじんまりとしたお堂が多く、内陣のお地蔵さまがぴったり納まったようにみうけられる気がします(笑)。
身近に感じられる大きなお地蔵さまは、民間に浸透した地蔵信仰の影響なのかなぁ~とお参りするたびに思います。

というのも、ここの境内にはたくさんのお地蔵さまがいるんです。

お地蔵さまで造られたパゴタ!!!



宅地開発とか、いろんな理由で京都の街中にいられなくなったお地蔵さまを、ここに集めたのがきっかけなんだとか。

地蔵盆の時にはたくさんの方がお参りに来るそうです。
また、このお地蔵さまたちを各地の地蔵盆にレンタル(笑)してるそうです。


そんなお地蔵さまのお導きなのか、境内に隣接するのが幼稚園。



その幼稚園のお向かいにあるのが、長い伝統を持つ壬生狂言の舞台です。

今回はこの舞台を特別公開♪
舞台下の楽屋スペースから、舞台の特設装置まで、

毎年決まった日程で上演される壬生狂言。
出演者の都合もあって、演目はその日にならないとわからないんだとか(笑)。

舞台のしかけも見せてもらいましたが、こんなことをいつ誰が思いついたのか…感心しますね。


雨戸が締め切りの状態なのでよく見えませんが、実際の上演日にはお向かいの幼稚園の階段が特設観客席になるそうです。


なかなかよくできたシステムですね(笑)。

狂言堂にも半跏の可愛らしいお地蔵さまが祀られていました。
きっと舞台に上がらないとわからないと思う。

狂言は男性しか演じませんから、こうして舞台に女性が挙がれるのは貴重な機会だったと思います。
タイミングとは言え、とってもいいチャンスに恵まれました。


さて、そんな壬生寺の境内では何やら雄々しい声が聞こえます。




ここがかつて、新撰組の隊士たちで賑わっていた様子が思い浮かびそうな光景。
時々こうして稽古をしているみたいです。

普通の剣道や、抜刀・居合などとはちょっと違う?

天然理心流は、新撰組局長近藤勇が学んだ道場(試衛館)の流派。
土方歳三、沖田総司、山南敬介など、後に新撰組の主要メンバーとなる人物たちが日々稽古に励んだのでしょう。


ここ京都での生活は、彼らにとってどういうものだったのか…。

本音の声を聞いてみたい。