校長先生が卒業生に贈る最後のなぞかけ。
「みんなのこれからの人生とかけまして」
「新大阪駅のホームと解きます」
その心は…?
「『のぞみ』も『ひかり』もあるでしょう!」

昨日は次女の中学校の卒業式でした。
長女の時は涙、涙の感動の卒業式でしたが、今日は子どもたちの笑顔がいっぱいの明るい卒業式でした。

次女も今までで一番の笑顔でした。
「私、絶対泣かへんわ。だってこの日が来るのをずっと待ち望んでてんもん。やっと終わる!」
この満面の笑顔の裏にこんな気持ちがあるなんて誰も知らないだろうなー。

表彰されるわけじゃないし、自分から言ったりしないから誰にも称えられることはないけれど、自分で決めた目標が達成された日。
学校が楽しくて仕方がない子には何てことないことかもしれないけれど、学校がしんどかった彼女にとっては、相当の努力がいった目標。
「皆勤賞」3年間、無遅刻無欠席無早退。
帰ったら家族でお祝いしよう!

式ではいろんな方からお祝いの言葉をいただきました。

よくお祝いの言葉の中で出される「歴史上の偉人」とか「偉業を成し遂げた人」
その時輝いているトップアスリートとかの話。
ひねくれものなのか、嫉妬なのか、私はあまりこの手の話は好きではありません。
「この人のすごいところは…」
「この人の偉いところは…」
「この人はこんなことを言っていた…」
「小さいときからこんな努力をしていた…」
そう言われても「そうですね」「すごいですね」としか思えません。
だからといってみんなそんな風に生きられないし。

そんなことを伝えたいわけじゃないのかもしれないけれど、モヤモヤする。
だって私の娘は「その人」と同じじゃないから。
娘はその人を「すごい人」だとも思っていないし、娘が尊敬している人は他にいるし。
娘が尊敬している人の言動は、誰かに紹介されなくても彼女に影響を与えているし。

そんな世間の誰もが仰ぐ「すごい人」を出してこられるとプレッシャーになる。
そんな「すごい人」になれない自分はダメなのかなって思うから。
何かを成し遂げないといけないのかなって思うから。

ほらほら、子どもたち、みんな興味なさそうにしてるやん。
その人の偉業はなにも今ここで紹介されなくてもみんな知ってるもんね。

みんなが今日この日に欲しいのはそんな言葉じゃない。

「何かを成し遂げなくてもあなたはそのままですごいんだよ」
「あなたは無限の可能性を秘めているんだよ」
「これからも悩んだり迷ったり間違えたり休んだり逃げたり…いっぱい回り道をしてもいいんだよ」
「ここに居る大人だってまだまだ回り道しているんだよ」

それよりも一番贈りたい言葉は
「こんなに健やかに育ってくれてありがとう」

今まで健やかに育ってくれたことが「偉業」
ここに居る一人一人が「偉人」
スティーブ・ジョブズやイチローや藤井聡太六段と同じくらい「すごい人」

みんなそれぞれが色々あった3年間。
いっぱい壁を乗り越えてきた3年間。
学校に来れなかった子もいっぱい成長した3年間。
いっぱい泣いて笑った3年間。
全員出席の卒業式。

これからもそれぞれの心に「のぞみ」と「ひかり」を持って歩んでいってください。
みんな、卒業おめでとう!!