●金剛摧砕天(こんごうさいすいてん)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)
サンスクリット名は「Vajravikiraua」。
四方毘那耶迦の東方の守護神で、傘蓋を持つために
「傘蓋毘那耶迦(さんがいびなやか)」とも言い、その
本誓により「無憂大将(むゆうだいしょう)」とも称す。
また、単に「金剛摧天」とも。
金剛界曼荼羅外金剛部院の東方の中央に位し、
外金剛部二十天の一尊。
象頭人身で両手に傘蓋を持ち、荷葉(蓮の葉)に座す。
==============================================
今回、象頭の尊です。
えぇ・・・率直に言うと羅刹の類になるのかなと・・・。
一見して「大聖歓喜天(ガネーシャ)」様ですが、ビナヤカは
同じ象頭でありながら人に障害を齎すとされます。
ただ、同一神と見る向きもあります。
というのも、
「歓喜天」の名の由来がこのビナヤカの逸話によるものだからです。
歓喜天様の祀られている寺院で大根をお供えする理由も含めて。
そこのところの詳細は以下(↓)を。
まぁ、信仰される場合は少し慎重になった方が良いのかも
知れません。
大根をお供えするとか、それが簡単に出来ないようでしたら
十一面観音さまの真言を唱えた後で、こちらの尊の真言を
唱えるようにするとか。
(※画像は文化遺産オンラインより)
(奈良国立博物館所蔵「十一面観音立像」)
ご利益は、
その本誓から無憂大将と称されているとあり、
なおかつ、
元の名前にある「砕く」(摧も砕くの意味の漢字)から
「憂いを砕く」という解釈でよさそうです。
ただまぁ、ビナヤカが元々人に障害を齎す尊なので、
どんな方法でなのかが、少し気にかかりますが・・・。
真言は
「オン・バザラ・グド・ソワカ」
です。
ちなみに、
十一面観音様の真言は
「オン・ロケイジンバラ・キリク」
または
「オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ」
です。
印は、
傘蓋印とありましたが、全く分かりませんでした。
傘っぽい見た目かなっていう想像はできますけど。