●宝蔵天女(ほうぞうてんにょ)
(※画像は「栗田こだわり仏像店」さん取扱品)
(「宝蔵天女 2.5寸 桧木」)
梵名は「吒羅佉(だりぎゃ)」。
吉祥天の別名ともされ、福徳施興の神として福徳増長の
祈願には常にこの尊を祀る。
五月五日の端午の節句を神格化した尊との説もある。
その姿は宝蔵天女経に曰く、『身の丈は二尺五寸、
頭に華の冠を被り、その点在する華は極めて美しく
端正なり。身に紫袍(紫の上着)、金の帯、を着て
鳥靴を履く。右手は蓮華を、左手は如意宝珠を執る。
極めて美しき天女形をなす』と。
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今回は上記通り、吉祥天と同一とされている尊です。
その特徴を見れば、確かに吉祥天と被る部分が複数あって、
確かに納得できなくもないんですが、吉祥天がインドの神で
あるラクシュミーのことだというのを鑑みれば、この尊の梵名は
明らかに響き的に遠いことから、本来違う尊が吉祥天と混同
されただけかも知れません。
とはいえ、
御利益は吉祥天の御利益にもある、
「財運向上」や「財福」です。
その特徴からして吉祥天の別の御利益、
「美しくなる」
もあるかも知れませぬ。
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)
真言は、
「オン・タラカ・タラカ・ビタラニ・ソワカ」
もしくは、
「オン・ダラギャ・ダラギャ・ビタラニ・ソワカ」
です。
サンスクリット語の発音の解釈の違いでしかないですが、
梵名的に下の方が元の言語に近いかも。
印は、右手に数珠を持ち、
左手の人差し指と小指を立てて、中指と薬指を曲げ、
心臓の上に置くそうです。