●発生金剛部菩薩(ほっしょうこんごうぶぼさつ)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 地之巻』より)
胎蔵界曼荼羅の中央右に位置する「金剛手院」に座す
21尊の中の一尊にして、その第一行第一位に住す尊。
「金剛部発生菩薩」とも。
サンスクリット語の名は「ヴァジュラクロードバヴァ」。
金剛部曼荼羅の総体で、菩提心を表した独鈷杵を持す。
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上記のような尊です。
今回より金剛手院の菩薩に移行いたしました。
金剛院とは胎蔵界曼荼羅の右側、3列 7弾になった菩薩の
集まりの場でして、それを構成するのは、
発生金剛部菩薩、虚空無垢持金剛菩薩、金剛輪持菩薩、金剛鈎女菩薩、
金剛牢持菩薩、金剛説菩薩、金剛手持金剛菩薩、忿怒持金剛菩薩、
懌悦持金剛菩薩、金剛薩埵菩薩、虚空無辺超越菩薩、金剛牙菩薩、
持金剛鋒菩薩、金剛鏁菩薩、離戯論菩薩、金剛拳菩薩、金剛持菩薩、
持妙金剛菩薩、忿怒月黶菩薩、持金剛利菩薩、大輪金剛菩薩
――と計21の菩薩です。
残念ながら、みなマイナーな尊ですね。
それ故か、
この21尊の中にも真言不明の菩薩がたくさんおりまして、
――ていうか、
真言が分かってる菩薩の方が少ない状態でして・・・
こちらの尊の説明にしても、
マイナー故か、第一行の第一位という席次にも関わらず、
本にあった説明は上記程度で、他の尊も同程度ですので、
当面は淡泊な内容になりそうです――
御利益・・・まぁ菩提心を表した独鈷杵を持つということは、
「悟りを開く」なのでしょう。
・・・200番代以降に書いた菩薩系に対しては、ずっとこれ
ばっかり書いてるような気がしますが、菩提心云々となれば
これに至るのは必定ということで。
ともあれ真言は
「オン・ハザラダ・バンバヤ・ソワカ」
です。
印は、
左手を上に、右手を下にして、
人差し指、中指、薬指を背合わせにしてから、
左の親指と右の小指、ならびに右の親指と左の小指、
それぞれの先端をくっつける形です。