●金剛利菩薩(こんごうりぼさつ)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 地之巻』より)
十六大菩薩の中の一尊。「般若金剛」とも。
サンスクリット語での名は「ヴァジュラティークシュナ」。
金剛界曼荼羅に於いては、無量寿如来の南方に配され、
胎蔵界曼荼羅では文殊菩薩と同体とされる。
また、天台宗では阿弥陀如来の脇侍である四菩薩の一尊。
ティークシュナは「鋭利なもの」を意味し、その名の通り
右手に剣を握った姿で顕される。剣は般若波羅蜜という
仏の智慧の象徴であり、それを以って迷いを断ち切り
衆生を救済するとされる。
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(※画像は「文化遺産オンライン」より)
(「金剛利菩薩(金剛界三十七尊(三昧耶形)」)
上記のような菩薩です。
文殊菩薩と同体でありながら、剣を所持しているという
明王っぽさが少々違和感ですが、「切り開く」ということの
象徴だと考えれば、その三昧耶形が「剣」なのも十分に
納得です。「利」も「鋭利」の「利」と考えれば、まぁ理解
できなくもありませんし。
ただまぁ、相変わらず菩薩の詳細は分かりませんので、
これ以上は書くことも無いですが。
御利益はそのまま「救済」でしょうが、文殊菩薩と同体ですので、
「悟りを開かせる」「学問成就」の御利益もあるかも知れません。
真言は
「オン・バサラ・チキシュダ・タン」
印は不明ですが、これまでのパターンからすると施無畏印かも。