1*クランの掟*【一人ぼっちのリリー】 | (注)†LILIUMの秘密の花が綻ぶログ†妄想小説は伏線を張り巡らせているのでテーマから①から投稿順にお読み下さい

(注)†LILIUMの秘密の花が綻ぶログ†妄想小説は伏線を張り巡らせているのでテーマから①から投稿順にお読み下さい

このブログではTRUMPシリーズの気になった点や
妄想を交えた仮説を中心に書いて行きたいと思います

色彩を失った森の奥深く

誰も知らない大きな荘厳な城が何千年も前から其処に佇んで到る

その城はサナトリウムクランと呼ばれる
繭期を拗らせた吸血種の少年少女達の療養所


そして今日も新たな繭期の子が連れて来られた

「御館様、転入生を連れて参りました
  繭期を拗らせて、あの騒動を起こし

 クランを移されてもなを問題行動を繰り返していた

    [あの少女]であります」




「ご苦労様。」

月明かりの逆光に照らされて黒い影のシルエットのとなった人影がそう答えた



「さて、繭期の君…名前は何て云うのかな?」

「……」

「まあ、いいや
 僕の名前はソフィ・アンダーソン
 このサナトリウムクランの城の主だ」

ソフィは

うつむいたまま一言みも話そうとしない

その少女の側に歩みより

彼女の頬を撫でた


少女は一瞬ビックリした様に身体をビクッとさせ ソフィの顔をゆっくりと見上げた

少女が見上げたソフィの顔は
黒いかげの輪郭の中に赤く光る目だけが
少女に視線が注がれていた

 「このクランに来た者は
 本当の仲間になるための契りを受けなければならないんだよ」


少女は危険を察したのか後退り逃げる素振りを見せた


 「ほら皆んな彼女が暴れない様に押さえておいてね」

ソフィの操り人形と化した少女達が

物言わぬ少女の腕を掴み取り押さえ付けた


その手を振りほどこうと暴れたが無駄な足掻きだった

そこにソフィが歩み寄って


「怖いかい?

  でも安心して 過去の事は忘れて楽しく過ごそう」

そう言うと彼女を抱きしめ


そして首元を噛んだ


《ガブ!!》
}ギャー!!!!!{



はじめて聞く少女の声は金切り声の様だった 


「我々吸血種が同族を噛む事でイニシアチブの主従関係が生じ

   絶対服従の虜になるのだ」


少女の頭にキィィーーンと云う耳鳴りがした

ソフィのイニシアチブが発動し

記憶の改編が行われているのだ



「少女よ立ち上がり我が元へ膝ま着け」

目に光の無い少女は表情を変える事無く立ち上がり
そしてソフィの足元へ服従の令をした

「改めて聞くよ」


「君の名前は?」


「私の名前はスノウ・・」

こんどは素直に名前を言ったが
納得がいかない

「スノウねえー・・・

花言葉は
[貴方の死を望みます]か・・・

不吉な名前だなぁ」


ソフィーの口角がニヤリと上がり

  「じゃあ、今日から君はリリーと名乗って貰うよ
   花言葉は純潔だ

    うん、良い名前だ
    君の名前はリリーだからね」

「畏まりましたか。御館様。
 私の名前はリリーです。」


「うん良い子だね」


「このサナトリウムクランに来たヴァンプの名前は皆んな僕が決めてあげるんだ」

「これが、このクランの秘密の掟だよ」


そしてまた一人また一人と
このクランへ少年少女達が連れて来られるのだった