短歌誌「ぬはり」2月号を発刊しています。

今回の2月号で6年間続いた「はんのき」のコーナーが終了します。

「はんのき」は3名の選出担当が、クラスによらずその月の「ぬはり」から最も素晴らしいと考えた短歌を十首選び、その中からベストオブベストを選ぶというものでした。

「はんのき」という名称の由来は、当会の名前である「ぬはり社短歌会」の「ぬはり」つまり「野榛」の榛の木に由来しています。



はんのきは日本の雑木林によく見かけられる樹木ですが、早春にもっとも早く花を咲かせる木としても知られています。

ハンノキの花は単性で雄花と雌花が別々で、雄花穂は枝先に指一本ぐらいの長さで垂れ下がり、雌花穂は雄花穂の付け根の近くの葉腋に小さな楕円状になっています。

両花穂は小さな花の集合体になっていて、よく見なければ花とは気づきにくいです。

ぬはり社短歌会の名称はそもそもこのハンノキのことを詠んだ万葉集の一首、


綜麻がたの林の前のさ野榛の衣につくなす目につくわが背

(綜麻形乃林始乃狭野榛能衣尒着成目尒都久和我勢)

へそがたのはやしのさきのさのはりのきぬにつくなすめにつくわがせ


この歌から名付けられたものです。

意味は、「綜麻形の林のはずれの榛の木が美しく衣に染みつくように、わが目によくつくわが君よ」というものですが、現在においても様々な解釈があります。

そうした万葉集由来の当会の名称、さらに毎月最も素晴らしい短歌を決めてきた「はんのき」が2月号で終了します。

コーナー担当だったみなさん、本当にありがとうございました。


来月の3月号からは、当会の創設者である菊池知勇の歌を昭和四十年代の歌人たちが評した「菊池知勇短歌の鑑賞」を現代風にわかりやすくして掲載する連載が始まります。

この連載で、「短歌の鑑賞の仕方」、「短歌を鑑賞するとはどういうことか」を読者の皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。

どうぞ楽しみにしていてください。


※お正月に起きた能登半島地震の被災者の皆様へお見舞いを申し上げます。


下記がハンノキの画像です。

ご参考までに。


via ぬはり社短歌会
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