図書館で何気なく手にした本がメチャクチャ面白かった。
それは、橘玲著『雨の降る日は幸福について考えよう』である。
橘玲氏と言えば、何と言っても『マネーロンダリング』幻冬舎が有名。
それ以外にも、『お金持ちになれる黄金の羽の拾い方』幻冬舎も過去に読んだことがある。
この本の何が面白かったと言うと、今から20年前に刊行されたにもかかわらず、全く色あせていない点。
バブル経済崩壊以降、失われた30年と言われる今日、既に20年前には橘玲氏の目には、今現在の日本の姿がハッキリ見えていたことがよくわかる。
まず、印象に残ったフレーズ(文章)は、サラリーマン人生は『定期預金』と例え、自営業・個人事業主、会社経営者の人生は、『株式投資』と例えたことに納得する。
サラリーマンが「正義」の旗を振りかざして会社にしがみつくのは、人生の選択肢が1つしかないからと解く。
理不尽な世界や不正を正そうと「正義」を振りかざして戦った青年に対して放った言葉が印象的。
Q:正義のために生きていますか?
A:ほとんどの人は正義のために生きてなどいない。自分と家族の幸福を守るために生きている。
たとえ遠い世界で多くの命が失われようとも、私たちの日常は変わらない。だから、ニュースを見ながら小さなため息をつき、日々の仕事へと向かうのだ。
理不尽な世界で、私たちは目の前にある問題を1つ1つ解決していくしかない。
それ以外にも、教育問題・年金・生命保険についても鋭い(厳しい)考えを示している。
そして、私の生業としている不動産についても、『土地真理教』の呪縛から解き放たれよと訴える。
故森永卓郎氏の著書『ザイム真理教』を彷彿させる。
また、私が副業で働く福祉についても、切れ味鋭い意見を示している。
それは『福祉のない豊かな社会を目指すべき』と主張。
筆者は北欧を中心とした福祉国家を別名、差別国家と言い切る。
ってことは、『福祉』=『差別』と言う風にも受け取れてしまう。
私が働く社会福祉法人のお偉方(管理者)は、どのように反応するだろうか
タイトルだけ見ると、気軽に読めるのかと思ったが、中々重いテーマであって読み応え抜群だった。
これらかも、橘玲氏の書籍を読み進めていこうと思う。