またまた、逢坂剛氏の本を読む。
お茶の水警察署シリーズの第3弾。
第一弾が『しのびよる月』。
第二弾が『配達される女』。
そして、今回の第三弾が『恩は仇で返せ』。
話は5つの短編で構成されている。
前回、前々回同様に一気に読み終わる。
昔からの幼馴染ではあるが、警察署では上司の斉木係長と部下の梢田の軽快なやり取りが面白い。
そこに、年下だが肩書は梢田よりも上の女性刑事、五本松小百合が加わって、面白さに拍車をかける。
決して、殺人事件や強盗などの凶悪な場面はない。
むしろ、日常業務での出来事を中心とした地味な場面ばかり。
全く派手さはないが、クスッと笑えたり、ちょっと涙ぐんだりすることが散りばめられている。
今回の作品は、昔ながらの詐欺まがいの事件が取り上げれている。
<詐欺まがいの事件>
・古本屋を舞台とした古書の行方。
・ハンコを売りまくる男性の正体。
・骨董品である茶碗の本当の値段。
どの短編も最後のオチが何とも面白い。
お金儲けを企む斉木と梢田は、ことごとく最後に足元をすくわれて失敗する。
そこが何とも言えず、気持ちいい。
勤務態度が良いとは言えない2人がいい思いをしてはいけない。
最後のどんでん返しが待ち受けているため、気が抜けない。
このお茶の水警察シリーズはあと3冊ある。
すぐに次の本も読んでみたいという気持ちになった。