副業で働く福祉施設の話。
わが施設の運営団体、社会福祉法人は年2回の割合で『法人研修会』を行っている。
原則、全員参加。
私も本来、公休日だが出勤する。
当日は朝9時に開始し、午後5時までみっちり詰まっている。
ただし、多くの参加者は、『早く終わってほしい』と超消極的。
なぜなら、研修内容のほとんどが講話形式だから。
特にお昼のお弁当を食べ終えた後の2時間の講習はつらい。
多くの参加者の目がうつろ、もしくは、まぶたがくっついている。
今回の研修も、ある講師は『勤続年数や経験年数ではなく、その人の能力で登用する』と話す一方、相変わらず、勤続永年表彰から始まる。
次に、事実上の法人トップの講話。
昨年まで我が施設の施設長も兼任していた。
職員会議で話す内容とほとんど変わらない。
<トップの講話内容の一例>
・ 福祉はボランティア精神で・・・。
・ 昔の福祉行政は・・・。
・ 郷に入っては郷に従えのたとえのように、支援は一糸乱れぬ・・・。
私は寝るのももったいないため、事前に内職を用意する。
それは、今まで読んでいなかった雑誌を持参。
<持参した内職の雑誌>
・税理士事務所発行の月刊誌2冊。
・地銀シンクタンクが発行する経済紙2部。
・1月、2月、3月の経済指標を示す雑誌3冊。
耳でzoom会議で映し出される講話を聴きかがら、これらの雑誌を読み進める。
お陰様で、今回の研修を通して、1月から溜めていた雑誌を一気に読み終えることができた。(サンキュー
)
研修会の内容をディスってばかりいては私も同じアナノムジナ。
1つの講話だけ、私の心に刺さり、約1時間の講話を最後まで聞き入った。
講話のタイトルは『社会福祉法人の中長期事業計画』。
タイトルだけ聞くと、眠くなる内容だと思ってしまう。
経営者の端くれの私にとって、法人の未来像、ここ数年間の各施設・事業所の収支、運営状態に目が釘付けとなる。
特に、以下に示した表はメチャクチャ衝撃的。
簡単に表の説明をする。
全部で13施設、事業所ある。
・左側の赤枠・・・経常増減差額率(%)。(経常増減差額÷収益計×100)
=収益性の示す基本的指標
・右側の赤枠・・・人件費比率(%)。(人件費÷収益計×100)
=収益に対する人件費の割合。
左側の経常増減差額率から我が施設は毎年、しっかり収益を上げている

しかも、施設の規模が大きいこともあり、一番大きな額である


この表から、赤字施設が何と6施設(13施設中)もある




我々が汗水流して稼いだ利益を赤字の施設に回されているという事実



右側の人件費率から、我が施設がダントツに低い

簡単に言うと、メチャクチャ厳しい労働環境で働いていることが分かる

この表から一言でまとめると、以下の通り。
『わが施設は、職員にとって過酷な労働環境のもとで働きながら、メチャクチャ収益を上げている。』
わが施設の職員はもっと怒るべきだと思う




もしかしたら、我が施設の職員はこの表を理解できないのかもしれない


私がもし、この施設の管理者だったら、我が施設職員に今回のデータを見た感想や意見のアンケートを取りたいと思う。
我が施設は、厳しい労働環境の中、社会福祉法人全体に多大な寄与をしているかが分かるもの

もっと、感謝されてもいいと思うが・・・。
以下の逸話を思い出す。
他の施設の職員に我が施設への異動を打診すると、以下のように言われる。
職員:「@@(我が施設)の異動は絶対に嫌です。だったら辞めます。」

1年間に赴任した新施設長は、ハード面・ソフト面の両面で施設改革を進めている

パート職員の私にできることはほとんどないが、施設長を陰ながら応援していこうと思う

今回の研修会は、我が施設の過酷さが視覚化さらたことだけでも収穫だった
