以前、本ブログ(10月7日分)にてNetflixで大ヒットしたドラマ『地面師たち』を紹介した。
そのモデルとなった実際の事件『積水ハウス地面師詐欺事件』について、オリエンタルラジオの中田敦彦の大人気動画、『YouTube大学』で説明していた。
朝のジョギング中にイヤフォンで1.5倍速にして聞く。
ドラマも大変面白かったが、やはり『現実は小説より奇なり』ということわざがあるように、実際の事件もメチャクチャ面白かった。
私も規模は極小だが、不動産賃貸業を生業にしてる。
確率は低いと思うが、地面師とまでは言わないが、罠(詐欺)にひっかからないとは限らない。
自分のコトと思いながら視聴する。
動画を視聴して、特に衝撃を受けた2つを紹介する。
① 『善意の第三者』を悪用。
宅建の権利関係で勉強した民法の『善意の第三者』を詐欺師たちはうまく活用している。
善意とは、そのコトを知らなかったということ。
※ 悪意は、そのコトを知っていた。
善意の人(第三者)は、そのコトを知らなかったということで法的に保護される。
簡単に言うと、たとえ知っていた(悪意)としても、『私は罠(詐欺)であることを知らなかった(善意)』と主張することで法律で守られてしまうということ。
この法律を詐欺師たちはもちろんのこと、売買契約でも使っている。
売買契約の図式は以下の通り。
偽の売主 ⇒ 街の不動産屋 ⇒ 積水ハウス
売買 転売
街の不動産屋は紺契約が真実だと思って?購入する。
街の不動産屋が間に入ることで、積水ハウスとのウソ(詐欺)の売買契約を成立させてしまう図式。
② 積水ハウスの取締役会が凄すぎる。
会長である和田氏が動き、取締役会で阿部社長の責任を追及し解任決議案を提出。
和田会長の思惑とは裏腹に『6(反対)対4(賛成)』で否決される。
直後に阿部社長から和田会長の解任決議案が提出され、何と可決されて和田会長が解任されてしまう。
その後、阿部社長は会長に横滑りし、現在も特別顧問をしている。
詐欺事件が判明すると、すぐに役員たちへ自身が有利に働くための工作をしたと言われている。
本来なら、社長として巨額損失を出した責任を取る立場。
それが、会長が解任されてしまうという結末。
しかも、今現在も積水ハウスに影響を及ぼす立場にいる。
まさに、生き馬の目を抜きとることができる早業。
言い方は悪いが『アッパレ』と拍手するしかない。
今回の動画を視聴しての感想は、詐欺は今も昔も変わらない。
昔からある詐欺『ポンジスキーム』がある。
広く出資者を募り、そのお金を運用し、利益が出た分を出資者に配当金などの名目で還元する。
しかし、それは嘘(詐欺)で出資金をだまし取る手法。
究極のところ、積水ハウス詐欺事件も詐欺の本質は変わらないと思う。
そういう意味からも、今回捕まった詐欺師たちも不起訴、もしくは早期の出所を経て、再び詐欺を企てるのではないだろうか。
我々ができることは、目先の甘い言葉や誘惑に惑わされないことが防衛策だろう。