今日は待ちに待った日。
それは、東都大学野球リーグの入れ替え戦。
東都大学2部リーグで優勝した東洋大学。
対戦相手は今春、31年ぶりの1部リーグに復帰した東京農業大学。
東農大は1部リーグで1勝10敗で最下位に沈む。
ただ、1勝は優勝した青山学院大学から挙げた。
ダントツのビリだったからと言って、油断できない。
1部リーグで揉まれてきただけに、百戦錬磨。
14時試合開始予定のため、自宅を出る時間に余裕がある。
やっぱり、神宮の森はいいものだ。
この時期、銀杏並木がキレイ。
まだ、緑色が残っているが、キレイな街並み。
信濃町駅から歩いて神宮球場に向かう。
球場に到着すると、東洋大のチアリーダー部が記念撮影をしている最中だった。
ちょうど、第2試合の2部、3部入れ替え戦の真っただ中。
この日は週休日。
スタンドには多くのファンが詰めかける。
内野席は6~7割は埋まっている。
戦国東都と言われる理由の1つに、この入れ替え戦がある。
東京六大学野球にはないシステム。
1部リーグの6校は、絶対に最下位にはなりたくない。
監督は気が気が休まる日がないはず。
普通の神経では務まらないと想像する。

さあ、いよいよ1部・2部入れ替え戦が始まる。
試合前のシートノックでは、井上監督自身がバットを握る。
多くの学校がコーチに任せる中、背番号50の監督がノックバットを持つのは貴重だ


ベンチ前では、#51の乾真大コーチがブルペン投手陣に目を光らせている

今日の先発は大学日本代表に選ばれている#18島田舜也選手(3年:木更津総合高)。
その他、ソフトバンクからドラフト6位に指名された#16岩崎峻典投手(4年:履正社高)、千葉ロッテからドラフト3位指名された#11一條力真投手(4年:常総学院高)がスタンバイしている。

先発の島田投手は初回から150kmを超える球を投げ込む

再々のピンチを招くが、渾身の力を込めてピンチを切り抜ける。
均衡を破ったのは東農大。
相手打者の頭に当ててから、島田投手のリズムが崩れる

何と、4つの四球で1点を献上してしまう

しかし、6回に#9政所蒼太捕手(3年:天理高)のヒットを足掛かりに、金丸健司選手(2年:上尾高)のスリーベースヒットで1点をもぎ取り、振り出しに戻す

気が付くと、最終回。
9回裏に満を持して、#16岩崎峻典投手がマウンドに上がる。

昨季、2部に降格してからも投手陣を引っ張ってきた

頼りになるエースが登場

絶対に1点も与えられない状況。
そこは岩崎投手、1球でピンチを切り抜け、味方の攻撃を待つ。

そして迎えた9回裏。
2者が打ち取られ、2死ランナーなしの場面。
打席は4番打者の#10池田彪我選手(3年:三重高)。
低めのストレートを振りぬいた当たりは、ライトスタンドにライナーで飛び込む


ここぞの場面で、サヨナラホームランが飛び出す



興奮のあまりに、思わず立ち上がってしまう

鳥肌が立つほどの感動



2時間46分の死闘に決着がつく。
試合を振り返ってみると、中盤まで東洋大は押され気味

何とか食いしばって、ピンチを切り抜ける。
耐えなければいけない場面が多く、精神的に非常に苦しい試合だった

しかし、これは2部リーグ戦で何度も経験している。
少ないチャンスを活かした試合だった。
特に、投手陣の粘りが良かった

これで、明日も連勝すれば念願の1部昇格となる

今日の勢いをそのまま継続して臨んでもらいたい

感動の余韻に浸りながら神宮球場を後にする。