今までずっと読んでみたいと思っていた本を手にする。
それは、大王製紙前会長 井川意高氏の著書。
『熔ける 井川意高の懺悔録』双葉社 2013年
今、彼の動画配信や彼も共演している佐藤尊徳氏の動画配信をいつも楽しみに観ている

彼は大王製紙の3代目。
現役の社長当時、カジノで巨額のお金を損失し、その資金を自身の会社から用立てした罪に問われ、実刑判決を受ける


服役後は各種SNSを使って、政治経済を中心に論評している。
その発言が我々のような凡人と違って、味方や考え方が興味深い

そして、誰にも忖度せず、切れ味鋭いのでついつい引き込まてしまう

ここから、著書を読んでの感想を述べる。
まずは、彼が大企業の3代目としての宿命の過酷さを思い知らされる

幼少期から、父親からの精神的、肉体的に厳しい躾(しつけ)

自力で現役東大合格、そして、法学部を卒業する。
大王製紙に入社しても、常に厳しい目で見られていることを承知している

<3代目の宿命>
・成功して当たり前。
・失敗したら、世間知らず、苦労知らずのボンボンだから。
我々には想像もつかないプレッシャーの中で働いていたのだろう

カジノでは失敗してしまったが、会社では極めて優秀な経営者だったと誰もが認める


この著書でも、ギャンブルによる会社への損失を猛省している。
持ち株を全て売却し、損失を返金。
刑も服し、社会的制裁もしっかりと受けた。
著書の中に『仕事をしていて「楽しい」と思ったことは1度もない』『仕事は苦痛でしかなかった』と述べている

これは、本音だろう

大きな失敗を経験した彼だから、人間観察、深い洞察力、奥深いモノの考え方ができる


大きな肩書がなくなった今だから話せることがたくさんあるだろう。
井川氏の発言から目が離せない

自身も大きな挫折を味わった人間だからこそ、井川氏に対して親近感がわき、共感できることが多々あるのだろう

今後、堀江貴文氏との共著『東大から刑務所へ』、幻冬舎から出版された『溶ける 再び そして会社も失った』も読んでみたい
