この日は私は副業の福祉施設の公休日。
そして、妻も音楽教室が休みの日。
すなわち、夫婦共に貴重な休日。
午前中、私は本業の賃貸経営の仕事を行う。
妻は自宅の掃除や洗濯などの家事全般を行う。
午後は夫婦共にリビングでまったりと過ごす。
この日は自宅近くの映画館のサービスデー。
通常料金¥2,000円/人が、¥1,300円/人で観られる。
そこで、夕食を済ませた後、最終上映に行こうと計画する。
20時35分の上映開始に向けて、自宅を20時過ぎに徒歩で出発する。
日中と違い、夜は風が気持ちいい。
入館すると、人がチラホラいるだけ。
チケット販売で座席を探すとまだ2席しか埋まっていない。
ほぼ貸切状態。
今回見る映画は『九十歳。何がめでたい』。
実際に今現在、100才を超えてもお元気な直木賞作家の佐藤愛子氏がモデル。
※ 以下、ネタバレしないように気をつけます。
佐藤愛子氏の役を現在90才を迎えた女優の草笛光子さんが熱演する。
男勝りの勝気な言動や態度が実にいい。
きっぷのいい性格がよく伝わってくる。
それに加えて、ユーモアも併せ持っているところが実に憎めない。
また、昭和の香りプンプンの50代の編集者を唐沢寿明が演じる。
カッコいい役が多い唐沢氏。
しかし、今回は、同僚からも家族からも見放された冴えない役を見事に演じている。
この編集者と同年代の私としては、自分と重なることがあって、素直に笑えない。
特に、以下の会話が印象的だった。
唐沢:「私は、いいおじいちゃんになれますかね?」
草笛:「いいおじいちゃんなんかならなくていいのよ!人に迷惑をかけて、憎まれて、面白いおじいちゃんでいいのよ。」
まさにこの言葉は極意だと思う。
私がこの映画を観て思う、佐藤愛子流のこの世のダメな生き方は以下の通り。
〈長生きできない生き方〉
・他人から自分はどう見られているだろ?
・もの分かりの良い、いい人でいなければいけない。
・自分の思いや考えを我慢して、他人に合わせよう。
草笛さん演じる佐藤愛子氏は、上記の3つとは真逆の生き方。
こういう生き方をしたいものだ。
夫婦共に、映画を観た後、すごく元気をもらった。
翌日、図書館で佐藤氏の著書を2冊借りてくる。
やっぱり、『九十歳。何がめでたい』、『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』の2冊は貸し出し中だった。
佐藤愛子氏の本を読むのが今から楽しみだ。