またまた、大沢在昌氏の本を読む。
図書館で借りてきて読んだ本の中の2冊。
大沢在昌著『闇先案内人上・下』文春文庫
ちなみに、この本は第20回日本冒険小説協会大賞を受賞している。
読み始めて『逃がし屋』という職業があることに驚く
。
※ 逃がし屋・・・何らかの出来事や事件で他国に逃げなければいけない人の亡命を助ける仕事の集団。
こんな仕事があったことを初めて知る。
話が進むと、警察のキャリア官僚、大阪府警の男女1名ずつのSP(要人警護)が登場し、目まぐるしく展開する。
その中でも、SPのうち女性警官がとても魅力的。
ただの警察官とは思えぬ度胸と力量を併せ持っている。
某国という設定だが、どう見ても北朝鮮だろう。
工作員や在団特務という言葉が出てくることからも明らか。
この作品は今から23年前に発表されたが、当時も今と変わらず、謎に包まれた不気味な国であることが伝わってくる。
話の舞台はたったの3日間という短い期間。
その短い期間を2冊にギュッと詰め込まれている。
死者や負傷者が続出し、ハードボイルド小説の醍醐味を味わう。
事件解決後、主人公である逃がし屋のリーダー葛原(くずはら)は、チームを解散する。
こんな大きな出来事も、キャリア警察官が作成する上層部(内閣官房)への報告書は表面上のことだけ。
当然、表には葛原(くずはら)らが行った決死の仕事も、なかったことと処理されることだろう。
もしかしたら、これらの出来事は大なり小なりは別として、我々が知らないだけで実際に水面下で行われていることもあるかもしれないと思ってしまう。
今回の話には、公安、SP(要人警護)、逃がし屋、某国家安全部、在団などの興味をそそるキーワードが出てくる。
しかも、息がつけないほど中身が濃い展開が繰り広げられ、一気読みしてしまう。
またまた、大沢作品にのめり込んでしまう私がいた。(感謝
)
今後もどんどん、読み進めていきたい。