甲子園球場で行われたセンバツ高校野球は健大高崎高校の優勝で幕を閉じる。
それぞれの都道府県でも、甲子園と同時期に地方大会も開催されている。
わが静岡県について調べてみると、我が母校が登場することを知る。
対戦相手は、甲子園大会にも出場経験がある県立の古豪。
自分で言うのも恥ずかしいが、両校共に伝統ある学校。
好ゲームを期待して、球場に足を運ぶ。
この日の第3試合(14:00)の予定のため、30分前の13:30分頃に球場入りする。
球場に到着すると、既に試合は開始していて1回表となっている。
この試合を観戦して3つのことに衝撃を受けた。
まず最初の衝撃。
それは、相手チームの投手の球速。
投球練習での投球フォームは明らかに違和感がある。
即席でつくった投手感満載。
分かりやすく言うと、下半身を使わない野手のような投げ方。(通称、野手投げ)
球場表示のスピードガンで、ストレートが100km前後、変化球は何と70km台。
これでは、私が中学の監督をしていた軟式野球の普通の投手並み。
一方、我が母校の投手は、常時130km前後。
しかも、背番号10であり、エースではない。
ちなみに、まだ出場していない我が母校のエースはプロ野球注目選手とのこと。
そして、2つ目の衝撃。
レギュラー陣以外の補欠メンバーの人数。
我が母校は10人以上がグラウンド整備をしていたが、相手チームはたったの5人。
たったの5人とは部員の数の少なさに衝撃を受ける。
最後、3つ目の衝撃は、相手チームの守備のお粗末さ。
エラーの数は公式記録だけで5つ。
しかし、目に見えないエラーは数知れず。
例えば、タッチプレーが明らかにアウトだが、そのボールを落球してセーフになった場面が2つ。
右翼手に至っては、楽々アウトにできるフライをスッテンと尻もちをついて捕球できず。
これでは、打ち取ったと思う投手の精神的な落ち込みようは半端じゃない。
前述したが、対戦相手はかつての甲子園出場校。
今現在の東京六大学野球部監督の2人の出身校。
今でこそ選手の頭髪が自由化され、丸坊主の学校以外が出てきているが、この学校はその先駆け。
そのような古豪と言われるチームでさえ、少子化の波をもろに受けている現実を目の当たりにする。
時代の流れと簡単に片づけられてしまいそうだが、野球ファンとしては一抹の悲しさを感じさせられる出来事だった。