中村天風氏について紹介した動画を観て、中村氏に興味を持つ。
そこで、図書館に行き、中村天風氏の著書を探す。
すると、数冊の本が見つかる。
しかし、どの本も難しい内容の本ばかり。
それもそのはず。
中村氏は明治9年生まれ。
今から150年前に生まれた人。
その中で1冊だけ、可愛らしい表紙の本がある。
その本が、『折れない心』扶桑社。
本を開くて安心する。
92個のエピソードで簡潔にまとめられている。
本書を紹介する前に、中村天風氏についてちょっとだけ解説する。
<中村天風の略歴>
本名は中村三郎。
明治9年東京生まれ。
幼少期は手に負えない悪童のため、玄洋社の頭山満氏に預けられる。
青年期には軍事偵察となり日露戦争では諜報活動で活躍。
その後、肺結核を患う。欧米を歴訪し、縁あってインドでヨガと出会い、修行を積む。
病気も完治し、帰国するといくつかの会社の役員となる。
中村の考えはは、東郷平八郎元帥、原敬首相など当時の著名からも多数の支持を受ける。
昭和43年92才で逝去。
早速、92つの内容から私自身、印象に残った6つの話を取り上げる。
※ ⇒は私見を述べています。
〇 具合が悪い時に具合が悪いと言ったら具合が悪いのが治るかい。
⇒ 不調な時が続くと、ついつい弱音や愚痴を吐いてしまう。
中村氏が言っていることは至極当然。
中々そうはいかないが人間の弱さだ。
〇「ああ暑い、どうにもやりきれない」そんな言葉を口走ってしまったら、「・・・と昔は言ったけれど」とすぐそこで打ち消しておけばよい。
⇒ これから、弱音や愚痴を吐いた時は、「~と昔は言ったっけ」って言ってみようと思う。
〇 人生に最も注意すべきことは得意のときにひとしお心の備えを緩めぬよう心がけることである。
⇒ このことをもっと早く気づいていればよかった。
公務員を辞めるきっかけの1つは、中村氏が言うように、心の備えが緩んでいた。
これからは、このことを肝に銘じておこうと思う。
〇 もし少しでも報酬目当ての卑しむべき気持ちになったらそのときはこの古いことわざを思い出すがよい。「箱根山 駕籠に乗る人担ぐ人 そのまた草鞋を作る人」
⇒ 記憶が確かなら、元首相の田中角栄氏の秘書だった早坂茂三氏の著書のタイトルにもなったことわざだと思う。
このことわざのように、不動産賃貸経営においても、様々な人に支えられている『お陰様の精神』を常に持っていたいものだ。
〇「健全な肉体に健全な精神が宿る」という言葉がある。真理でないといわぬが、決して絶対的真理ではない。「健全な精神が健全な肉体を作る」のである。
⇒この言葉は、哲学者カントの有名なもの。
確かに、中村氏の言う事もうなずける。
っていうことは、中村氏の主張、カントの考え、共に正しいってことにしよう。
〇 四十や五十はもちろん 七十、八十になっても情熱を燃やさなきゃ。明日死を迎えるとしても今日から幸福になって遅くないのです。
⇒ この言葉は心強く感じる。年齢による制限は自分が勝手に作ったもの。
ただ、若者を邪魔するような老害だけにはなりたくない。
今回取り上げた6つのうち、病気や健康、年齢に関する事が多かった。
それは、昨年11月に判明した糖尿病の影響だろう。
中村氏も、当時は不治の病と言われた肺結核に罹った。
中村氏はインドでヨガとの出会いで病気を完治したと言う。
私の病気は一生付き合っていくもの。
病気は異なるが、病気に対する考え方は勉強になった。