書店である本が目に留まる。
それは、大江英樹著『定年前、しなくていい5つのこと ~「定年の常識」にダマされるな!~』光文社新書
なぜから、『定年』という言葉に反応したから。
私は現在、51才。
サラリーマンは60才や65才が定年の年齢だろう。
人によっては、70才まで働く気のある方もいるかもしれない。
しかし、私は4月から副業で働いている福祉施設の勤務日数及び勤務時間を大幅に短縮することを要望し、それが許可された。
これまでは、正規職の時を含めてパート職になってからも、シフト制で勤務していた。
年間255日の勤務日(公休日数110日)だった。
それを、週4勤務(週休3日)の固定制になる。
勤務する曜日は日、月、火、金の4日間。
休みは、水・木・土の3日間。
祝日は原則勤務。ただ、年末年始、GW等は要相談となる。
来年度を計算すると、勤務日数は年間209日(公休日数156日)。
簡単に表すと、勤務する割合は57%。
今年度、年次有給休暇を20日取得した。
もし、来年度も同じように年休を行使すると、勤務する割合は52%となる。
衝撃的な事実として、『年間の半分だけの勤務』になる。
これはまさに、『定年』に片足を突っ込んでいると言っても過言ではないだろう。
前置きが長くなってしまった。(スミマセン)
以上のことから、この本を読んでみたくなったという経緯(いきさつ)。
早速、読み進める。
筆者の大江氏は、自身も8年前に大手証券会社を退職し、その後、文筆業と講演会の講師の会社を立ち上げている。
そのため、自身の体験に基づいているため、大変説得力がある。
書かれている内容のほとんどが共感でき、勉強になる。
しかし、2か所だけは『あれっ、本当にそうかな?』と疑問に感じたことがあった。
そこで、<大変共感できた内容>と<あれっ、本当にそうかな?と思った内容>と分けて紹介する。
※ ⇒はそのことによる私見を述べています。
<共感できた内容>
① 大企業のサラリーマン社長ではなく、オーナー企業の社長は長生きする傾向がある。
例)スズキ(旧スズキ自動車工業)の鈴木修会長は90才。
ある研究によると、あまり地位の高くない公務員の心臓病等による死亡率は上級公務の3倍高い。階級が上がっていくほど平均寿命が延びる
。
これは、「選択の自由度に対する認識が健康に大きく影響を及ぼすことを強力に実証」している。
自分が持っている決定権が大きければ大きいほど健康に良い影響を与える。
⇒ものすごく納得できる話。
自身が副業で働く福祉施設では、窓拭きクリーナー1つ買うのも、いちいち『購入伺い』を書き、承認が下りて初めて買うことができる。(面倒くさい)
一方、我が社では、誰に相談しなくても、自分の一存で瞬時に購入できる。
一般の公務員もサラリーマンも各方面に気を配らなければいけない。
これでは、身が持たないのも納得。
② 地域コミュニティは伏魔殿。
地域社会は微妙な利害関係で成り立っている。
例えば、長老的な人がいて、何か問題が起きた時に出てくる。独特のヒエラルキーが存在する。
また、明文化された明確なルールはないが、暗黙知がある。
そして一番困ったことに、地域コミュニティには逃げ場がないこと。
摩擦が起きて周りとギクシャクしても、顔を合わせなければいけない。
莫大な住宅ローンを抱えているため、引っ越しもままならない。
⇒私も一時期、セミリタイヤ後には地元自治会の役員をやろうと考えたことがあった。
この本を読んで、自分には向いていないことを痛感した。
③ 趣味がなくても一向に平気!
「定年になったら趣味を持ちなさい」「定年後は趣味を楽しみなさい」はウソ。無理して趣味を持とうとすると失敗するだけ。
生活スタイルを『時間をお金で買う』のではなく、『お金を時間で買う』生活へと真逆のパターンへ。
今までは、『忙しい』ために、外食したり、ハウスクリーニングをお願いしたり、旅行代理店にお願いしたりしていた。
それをたっぷりある時間を利用して、多少は「自分でやる」ようにするとよい。そうすると、出費も抑えられて、一石二鳥。
⇒私自身、寝食を忘れても打ち込むほどの趣味は持っていない。
ただ、ジョギング、山歩き、ゴルフ、野球観戦、読書は大好き。
肩ひじ張らずに、それらのことを満喫していきたい。
ただ、『お金を時間を買う』という発想は面白い。
④ 早く成仏すべし。
成仏とは、いつまでも会社生活をこだわらないで、新しい人生に向かうということ。
早く成仏した方が幸せになれる。
50代になったら、会社にしがみついていないで気持ちを切り替えることで、その後の人生をいくらでも幸せにできる。
⇒自身は43才で公務員を辞めた。
それから約8年が経過した。
その時に辞めのは、良い潮時だったかもしれない。
それでも歯を食いしばって、続けていたらと思うとゾッとする。
過去は過去として、『元@@』ではなく、『現〇〇』ですと胸を張りたい。
<あれっ、本当にそうかな?と思った内容>
・積極的に同窓会の幹事を買って出る。
今までは部下に任せて自分でやったことがない人がほとんど。実際にやってみると難しいことが分かる。
自分で幹事をやってみるからこそ、人の苦労が分かるという面がある。
⇒筆者の考えはよくわかる。
しかし、私個人の考えとしては、過去(同窓生)のことでもう神経をすり減すことはしたくはないというのが正直な気持ち。
別に、過去に嫌な経験や体験をしたからではない。
今まで、自分や家族のことは顧みず、人のために一生懸命働いてきたつもり。
今度は、自分自身や家族のために神経を使っていきたいと思う今日この頃。
定年を間近に控えた?私には、色々と考えさせられることが書かれていた。
いよいよ、私も来月から週休3日の生活が始まる。
月並みだが、健康(持病)には十分留意し、自身や家族のために生きていきたいと心に誓う。