今回は書籍の話。
図書館で借りてきたミステリー作家の大沢在昌の本。
本のタイトル『覆面作家』にもミステリアスで惹かれてしまう。
内容は8つの短編で構成されている。
この本が刊行されたのは今から7年前の2017年。
ちょうど、私が公務員を辞めて福祉施設に働き始めたころ。
同時に法人(会社)も設立し、多忙を極めていたことが懐かしい。
さて、本の内容を紹介をしていく。
この本の全ての主人公は著者の大沢氏と思われる作家の設定。
全ての作品に言えることは、話の内容が嘘か本当かがはっきりしない。
その点が大変魅力的。
今、日本の政界で一番ホットな話題である政治家の裏金問題についても指摘していて興味深い。
その中で、面白かったシーンがある。
主人公の作家(本人?)が、地方の市立図書館主催の講演会に講師として招かれた。
ファン:「あなたの大ファンです。図書館で借りて全部読みました。」
と言われても、もろ手をあげて喜べるだろうか。少なくとも私は喜べない。この人が全部書店で買ってくれていたらと、セコいようだが思ってしまう。
このセリフを読んで、思わず苦笑してしまった。
なぜなら、何を隠そう、私はこの本を図書館で借りて読んでいるから。
短編全体を通してみると、『村』が面白かった。
大まなあらすじだけ紹介する。
当初、人口50人を切っていた限界集落の村が舞台。
ある村長になってから、村は激変する。
主人公の友人がこの村に迷い込み、信じられない体験をする。
おそらく、フィクションだろう。
しかし、もしかしたらありえるかもしれないって思ってしまうところが不思議。
現に、核燃料施設、原子力発電施設、自衛隊基地施設がある自治体は、他の自治体と統廃合したがらないことはあまりにも有名。
ひょっとしたら、この『村』は、実在するのでないか?
この短編小説は私の想像を膨らませてくれる。
大沢氏には申し訳ないが、今後も図書館で本をたくさん借りて読んでいきたいと思う。