税理士事務所から月刊誌『経営情報 2月号』が送られてくる。
今月、翌月は税理士さんたちにとって、1年で最も忙しい時期と想像する。
さて、パラパラとページをめくっていく。
すると、ある記事を見つける。
それは、タイトル『商売繁盛の2つのカナメ!』。
商売繁盛という言葉に反応してしまう私。
その2つのカナメ(要)とは、『日々の記帳』と『月次決算』とのこと。
12月に決算を終えた身として、日々の記帳や月次決算は、まさに自分のこと。
早速、記事の内容を見ていく。
最初に『日々の記帳』について、次に『月次決算』について進めていく。
まずは、『日々の記帳』について述べる。
記帳は毎日行うことと言っている。
※ 毎日、会社で会計データ(仕訳)を入力すること。
しかも、毎日行っていても、「税務申告のため、融資(金融機関)を受けるために仕方なく・・・」と消極的な理由ではダメと指摘する。
毎日行う記帳には2つの大きな理由があるとのこと。
① 自社を守るための証拠作り。
取引上のトラブルや税務調査が入った場合、毎日、自社自身で帳簿を付けていれば、「証拠力の高い記録」として、堂々と帳簿を提示することができる。
それは、取引先、税務当局、時には裁判所の高い証拠として採用される可能性が高い。
逆に、年1回まとめて記帳したり、外部へ記帳代行を依頼したりする場合、上記と比較して格段に低い証拠となってしまう。
② 経営者自身への報告(自己報告)
経営者自身への報告は会社の危機(倒産等)の防止に重要なものとなる。
なぜなら、日々の取引を会社で自ら記録していれば、細かな変化にいち早く気づくことができ、その変化に迅速に対応できる。
「早期発見・早期行動」の積み重ねは、結果として倒産という最悪の事態を回避することにつながる。
以上のことから、日々の記帳が習慣化しているかの有無によって、お金の使い方や行動に大きな差が出てくる。
会社での「日々の記帳」を良い習慣として根付かせたい。
次に、『月次決算』について述べる。
月次決算は単に、年12回の「月次で会社の数字を締める」だけではない。
「経営者自身が毎月の業績を翌月早々に把握でき、活用できる状態」を指す。
「前月の取引にかかった費用/得た利益」を正確に把握することが重要。
昨今は、不安定な世界情勢や気候変動の影響によって、物価やエネルギー資源の高騰、円安傾向などの枚挙にいとまがない。
「自社は本当に儲かっているのか?」「このままいくと、どうなるか」など、毎月、自社の現状を検証することが重要になってくる。
ここから私見を述べる。
自慢ではないが、毎月の月次決算は翌月の10日前には終了している。(自慢している)
日々の帳簿は妻の仕事。
毎日とは言わないが、妻は日々のレシート、受領書(領収書)、納品請求書等は1回/週の割合でノートに記入している。
妻が書いたノートを基に、私が弥生会計ソフトを使って入力。
そして、通帳と帳簿をつき合わせて確かめるのが一連の作業。
我々の賃貸経営は、仕入れがあったり、売掛金があったりする商売とは異なる。
そのため、『毎日記帳しなくても良い』と勝手に自分に言い聞かせる。
毎月中旬には定期的に帳簿や月次決算書、通帳のコピーを税理士に提出しチェックを受けている。
我々のような賃貸経営が収入に関して気にしていることは以下の2つ。
<収入(利益)に関すること>
・入居者の入退去、特に退去。
・空室期間。
この2つは収入減少に直結している。
そして、費用(出金)として気にしていることは以下のこと。
<費用(支出)に関すること>
・修繕費
・工事費
・メンテナンス費
以上のことは賃貸経営者として、日々気にしておきたいことと思っている。
ふと、ある記事で思い出す。
それは、大家さんの中に、「賃料振り込み確認を1年近く行っていなかったため、結局、滞納分を回収できなかった。」
こんなずぼらな大家さんがいるものかと驚くと共に、その大家さんは、賃料ごときのお金に無頓着など金銭的に余裕があるのかとも勘ぐってしまう。
最後に、福沢諭吉の言葉が書かれている。
「学問のすゝめ」の第14編で『商人の心得』において、次のように述べている。
~商売に一大緊要なるは、平日の帳合を精密にして、棚卸の期を誤らざるの一事なり~
さすが福沢諭吉だ。
含蓄のある言葉だ。
我々もしっかりとこの言葉を胸に刻んでおきたいと思う。