昨年末から推理小説にハマっている。
松本清張から始まって、結城昌治、大沢在昌、そして、逢坂剛に辿り着く。
逢坂剛氏の『百舌(もず)シリーズ』が有名だったことを知らなかった。
今回読んだのは、その『百舌シリーズ』の中の第2作の『百舌の叫ぶ夜』。
ちょっと調べてみると、このシリーズは8作ある。
そして、今から4年前の2019年に『百舌シリーズ』が完結する。
その間、スタートしてから33年間の年月がついやされた。
<百舌シリーズ>
①裏切りの日日 (1981年)
②百舌の叫ぶ夜 (1986年)
③幻の翼 (1988年)
④砕かれた鍵 (1992年)
⑤よみがえる百舌(1996年)
⑥のすりの巣 (2002年)
⑦墓標なき街 (2015年)
そして、TVでドラマ化されている。
2014年にはTBS系で「MOZU」という題名で、西島俊英主演、香川照之、真木よう子などの豪華メンバーの布陣。
翌年の2015年には映画化もされている。
ちょっと調べただけで、TV・映画とかなり有名な作品(シリーズ)であることが判明。
ようやく本題に入る。
今回読んだのはシリーズの2作目。
1作目を読んでいなかったのだが、全く違和感なく読むことができた。
本編の具体的な内容については触れないことにする。(ネタバレ禁止)
1つ大変気になった場面描写があった。
それは、1月1日の夕方発生した能登半島地震に深く関わっている。
中心的役割を果たす人物がある組織(反社)に連れ出され、主人公の百舌(もず)がその後を追うという場面。
東京から電車に乗り継ぎ、能登半島の先端の狐狼岬(架空の場所)まで向かう。
東京から能登半島の狐狼岬までの道程を以下に示す。
<能登半島までのルート>
・都内発 ⇒ 車 ⇒ 上野駅
・上野駅 ⇒ 特急白山1号 ⇒ 金沢駅
・金沢駅 ⇒ 急行能登路11号 ⇒ 穴水駅
・穴水駅 ⇒ 能登線 ⇒ 珠洲駅
・珠洲駅 ⇒ レンタカー ⇒ 狐狼岬(架空の場所)
まだ、新幹線が開通していない1986年時の作品。
今だったら、東京駅から新幹線『かがやき』を使って金沢駅に向かうだろう。
そこが、特急『白山』という所が味があって非常によい。
前置きが長くなってしまったが、上記の道程はまさに、今回の能登半島地震の震源地にもの凄く近い場所。
この部分を読み進めて、何だか胸がドキドキしてしまう。
この作品は今から約40年前に書かれたもの。
ちなみに、能登鉄道は2005年に廃止されている。
それが、今まさに日本中が注目している場所。
不謹慎ながら、読んでいる中で大地震に遭遇するのではないかとさえ想像してしまう。
被災地の方々のために私にできることは、副業の福祉施設に設置してある義援金箱に僅かばかりのお金を入れたことだけ。(スミマセン)
恥ずかしながら、北陸地方には仕事の関係で金沢市に2回訪れただけで能登半島は行ったことがない。
当然、今回の能登半島地震がなければ、間違いなくこの本を読んでも能登半島のことについては記憶の片隅にも残らなかったことだろう。
震災の復旧、復興が進んで能登半島に行ける時期があったら、いつか1度は足を運んでみたいと思う。
そして、逢坂剛氏の『百舌シリーズ』の残りの作品も読んでいきたい。