静岡経済研究所から送られてきた『調査月報』8月9月合併号に目を通す。
その中で、気になるコラムを見つける。
タイトルは『土地所有を巡る構造的問題に光差すか』。
昨今、所有者不明土地問題が話題となる。
特に、東日本大震災後の復旧工事の際に困ったことは有名な話。
各地方自治体は様々な対策を考えていることは薄々知っている。
そこで、このコラムを通して、もう一度、所有者不明土地問題について整理していこうと思う。
<現状>
・所有者不明土地は、410万ヘクタール。
・規模いうと、九州全土よりも広い。
・国土全体の10%超。
・2040年には780万ヘクタールまで増加すると予想。
<背景>
・不動産権利関係の登記が任意である。
・相続時に所有権移転の手続きを怠る。
・土地の資産価値がない。
<対策>
・公園等にするなら、所有者不明土地を利用できる。
・相続から10年経過しても協議がまとまらない場合は、法定相続分で分割する。
・国に10年分の管理費用を支払えば、国に引き渡せる。(相続土地国庫帰属制度)
・相続登記・住所変更登記の義務化。(2024年4月施行)
・既存の所有者不明土地も義務化され、違反すると10万円以下の過料。
ここからは、私見を述べる。
やはり、一番の問題は、上記の<背景>『土地の資産価値がない』。
もし、私が資産価値のない土地を相続したら、わざわざお金を払ってまで、所有権移転登記をしない。
ほったらかしにしてしまうだろう。
逆に、もし、東京都心の超一等地の土地を相続するとなったら、喜んで所有権移転登記手続きをするだろう。
まさに、行政はそこにメスを入れるべきだと思う。
資産価値のない土地(既存も同様)については、行政が無償で移転登記を行うようにする制度はどうだろうか
もちろん、「価値がある、ない」の基準は難しいのは承知している。
そして、もう1つ。
上記の<対策>の「国に10年分の管理費用を支払えば、国に引き渡せる。(相続土地国庫帰属制度)」。
これも、『10年分の管理費用を支払えば』を無くし、『無償で国に引き渡せる』ようにできないだろうか
一つだけいえるのは、罰則を強化するのではなく、手続きや管理費用を撤廃した方が結果的にお金もかからずに、良い方向に向かっていくのではないだろうかと思うが。
上記は、私の独断と偏見の考え。
皆さんからのご意見も聞ければ幸いだ。