今月に入って、観たい映画を探している中で、『Winny』が上映中であることは知っていた。
しかも、主演が東出昌大であり、話題となっていることも。
しかし、直感として、見終わったら暗い気分になりそうという理由で観るのをやめていた。
そんな中、先日堀江貴文氏が主人公の金子勇氏のことに触れていたり、中田敦彦氏の動画ではWinnyについて詳しく解説していたりしていた。
そこで、割引の曜日ではなかったが、映画館に足を運ぶ。
ここでは映画の内容自体には極力触れないようにする。
実話に基づいた映画とあって、リアリティ抜群。
最後の場面では不覚にも、涙があふれてしまった。
鑑賞後の印象を述べる。
まずは、警察・検察という巨大な権力の前では、個人はなすすべもないという無力感と憤り。
それは、この映画の中で愛媛県警裏金問題についても取り上げているからなおさらその思いが強くなる。
すぐに頭に思い浮かんだのは、静岡での事件の『袴田事件』。
さらに輪をかけて、マスコミ等を通じての世論操作もいくらでもできてしまうという恐ろしさ。
ただし、巨大権力である警察・検察といっても、その個々の役人は、単なる組織のパーツの1つに過ぎない。(すぐに取り替え可能
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登場している秋田弁護士が話す『トカゲのしっぽ切り』とは言い得て妙。
最終的には、金子勇氏は無罪を勝ち取った。
金子氏の研究開発は、心から『そこに山があったから』だけだと思う。
それにしても、7年超もの月日が流れてしまった。
この7年を研究開発に携わっていたら、どれだけ世の中に貢献できたことだろう。
悲しいことは続く。
無罪を勝ち取った半年後に金子氏が急死。
金子氏の無念な気持ちを思うと、胸が張り裂けそうになる。
この裁判によって、日本におけるプログラミング開発の大幅な遅れを導き、世界に大きなリードを許してしまったことが残念でならない。
最後に、いつか無罪に導いた弁護士の壇俊光氏の著書『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』を読んでみたいと思う。