先月、残念な連絡を仲介業者から受ける。
それは、3月末をもって3階の入居者が退去するという連絡。
我々にとって、この退去は非常に痛い。
なぜなら、店舗を除いた賃料の中で一番高い。
3LDKのファミリー向け。
この物件は3階建て商業用ビルの最上階。
購入当初、2・3階部分は事務所使用。(しかも空室)
それを公務員の退職金のほぼ全てをつぎ込んで3LDKにリフォーム。
ちなみに、2階部分は何も手を入れずに、室内トランクルームとしての入居が決まった。
話を戻すと、この入居者さんはリフォーム後から6年間、住んでいただいたことになる。
仕事の都合で東京へ引っ越すとのこと。
この入居者さんはここに入居してから色々な経験をしている。
旦那さんとの離婚、そして、再婚。
前の旦那さんとの子どもが3人いる。
入居当初、一番下のお子さんは保育園だった。
一番上のお子さんも今では中学生。
なぜ、私がこの家族のことについて詳しいかと言うと、この物件は自主管理。
1回/月、共用部分の廊下、階段清掃を行っているので、時々階段で入居者の家族とすれ違い、会話をする。
また、水道料金の清算、組費を直接会って徴収している。
それを6年間行ってきたので、否が応でも色々と知ってしまう。
先日、最後の水道料金の徴収のために妻が訪問した。
すると、入居者さんから、大変ありがたいお言葉をいただいたと妻が感激する。
入居者:「6年間のここでの生活で、一番良かった思い出は家でした。今までありがとうございました。」
妻:「(ウルウルしながら)これからの東京での生活も頑張ってください。こちらこそ今まで本当にありがとうございました。」
妻は上記の内容をすぐに電話で連絡してくれた。
電話を受けた私も感無量。
大家業をやっていて、本当に良かったと思う瞬間だ。
この入居者さんは、縁もゆかりもないこの地(静岡)に来て、色々なことがあったと思う。
辛い思いや嫌なこと、逆にうれしかった
ことなど。
色々なことがあったと思うが、安心して帰ることができる家があったからこそ乗り越えられたのだと勝手に想像する。
この連絡を受けて、すぐにリフォーム工事をしてくださった@@工務店の社長に、入居者さんの会話の概要とリフォームしてくださったことに対するお礼をメールで送る。
すぐに、社長から返信が入る。
社長:「いつもお世話になります。わざわざありがとうございます。そう言ってもらえてこちらも嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。」
腕のいいリフォーム業者が工事をしてくださったからこそ、入居者さんも満足してくれたのだろう。
自分だけの力ではなく、色々な人の力があってこそとあらためて思った。
退去される方の家族の今後の益々の活躍をお祈りすると共に、この物件の早期の入居が決まるように切に願う。