妻が使っている車は軽自動車の『タント』。
ここ最近、調子が悪い。
その予兆はすで前からあった。
エンジン系統の不調のランプが点滅するようになる。
何せ、既に12万キロ以上走行している。
そこで、まだ走れるうちに下取りに出して、新しい車の購入を考える。
皆さんの中には新しい車を『新車』と思い浮かべる方がいるかもしれない
しかし、妻の頭の中には『新車』はない。
基本的に、中古車。(新古車も含む)
車にお金をつぎ込む発想がない。
妻は最近、ずっとインターネットで探し続ける。
検索ポイントは、以下の3つ。
・車種は、『タント(ダイハツ)』、『N-BOX(ホンダ)』。
・色は白か黒。
・値段は、総額100万円前後。
その結果、八王子市の販売店に白、黒色の『タント』2台が100万円以内で存在することが分かる。
この日は私も副業で働く福祉施設の公休日。
そのため、私も同行。
10時の開店と同時に連絡して訪問する旨を伝える。
購入する際に必要なもの(住民票、認印、手付金1万円)を用意し、10時30分頃、私の車で自宅を出発。
東名高速にのり、海老名JCTから圏央道、高尾山ICで降りる。
ここまでノンストップで来たため、販売店に到着する直前のコンビニでトイレを借りる。
さて、ちょうど正午過ぎに販売店に到着。
店員の若い男性が対応してくれる。
妻:「朝、連絡した@@(姓)と申します。2台のタントを見に来ました。」
店員:「これですね。キーレスではありません。差すタイプです。サイドミラーの開閉は手動で行います。エアコンは、ダイヤル式です。」
我々:「・・・」
私が後ろドアを開けようとしても、開かない。
店員:「もっと強く引いてください。」
かなりの力で引っ張って、ようやくスライドドアが開いた。
店員:「このように必要最小限の設備にしたため、この値段となります。」
我々:「・・・」
妻:「ありがとうございました。帰ってから考えます。」
速やかに店を退散する。
すぐに車中で作戦会議を行う。
妻:「ここから比較的近い府中市のお店に、走行距離も短く、年式も新しい黒色のタントがあるの。ただ、ボンネットに少し凹んでいるの。まず、連絡してみるね。」
府中市の店舗に連絡する。
妻:「電話したら、先程売れたんだって」
私:「もう1店舗、気になる車があるって言ってたよね。」
妻:「事故車にはならないけど、フロント部分を修復した車があるの。ただ、そのお店が、千葉県木更津市なの。」
私:「折角、ここまで来たんだから、木更津に行こう。」
妻:「ありがとう」
カーナビに現在地(八王子)から木更津の店舗に設定。
走行距離は88Km。
首都高速に入り、湾岸線、東京湾アクアライン、海ボタルを経由して、木更津市にある店舗に到着する。
アポをとっていない。
外に出ている2人の店員さんの態度がそっけない。
駐車場の誘導もしてくれず、ひたすら自分の仕事に励んでいる。
やっと、1人の男性店員が姿を現す。
私:「アポを取っていなくすみません。フロント部分を修復したというタントを見たいのですが。」
店員:「分かりました。見に行きましょう。」
店の奥の隅の方にあった2台を紹介する。
店員:「この2台です。基本的にエンジン内がどうなっているか私どもも分かりません。次の車検に通るかどうかも分かりません。」
我々:「・・・」
妻:「N-BOXもあったと思います。見せてください。」
店員:「これですね、車高をわざと低くしています。下回りが危ないですね。それに写真には写りませんがボンネットのいたるところが凹んでいます。恐らく、ひょうに当たったのかもしれません。」
我々:「・・・」
妻:「他の車種で100万円以内の車はありますか」
店員:「この車種はどうでしょうか?『デイズルークス』と言います。日産と三菱の共同開発の車になります。」
妻:「この色(シルバー)よりも、この色(ピンクゴールド)がいいです。」
店員:「この車はいいですよ。走行距離も短く、グレードも上です。年式も比較的新しいですね。ただ、前所有者が喫煙者です。」
妻:「匂いは、これから何とかなるでしょう。これがいいです。」
私:「タント同様に視界が見やすく、車内設備も充実している。それに後ろ座席も広いですね。」
妻も気に入ってくれて、この車を購入することを決める。
実際に支払う値段交渉をするため、店内に入る。
ここから妻が『大阪のおばちゃん』に変身する。
最初の提示額が総額で124万円。
妻:「この特別仕様価格の11万円はいりません。それに、3年保証、タイヤパンク保証もいりません。」
その後、店員が見積書を作り直して上司に確認する作業を3回繰り返す。
そして、ようやく、総額が決定。
110万円。(そのうち、手付金3万円を支払う)
妻の交渉には隣に座っていた私がハラハラする気持ちだった。(流石、妻は強い)
以上、中古車のことを書いたが、以下のことが分かった。
安いには理由がある。その理由は、主に以下のこと。
・車内、車外設備を最小限に抑えている。
・事故車とはならなくても、故障のリスクが高い。(車検に通らない)
・改造したり、傷が多かったりする。
そして、中古業者の値段設定は、主に以下の3点を基にして算出する。
・車種・年式
・走行距離
・グレード
その後、木更津から静岡に戻ったのは、午後7時前。
当初、『タント』か『N-BOX』の白色、黒色を買おうとしていた。
しかし、蓋を開けると、全く違う車種と色となる。
これはこれでよかった。
帰りの東京湾アクアラインは自然渋滞。
左には綺麗な富士山が夕焼けに染まっていた。
車も物件と同様に何かの縁だと思う。
実物を見ることによって、写真では分からなかったことがあった。
連絡したらすでに商談済み。
視点(車種)を変えてみると、いいものがある。
何よりも、値段設定のポイントを知ることができた。
たった1日だったが、色々なことが勉強になった。