東都大学野球2部リーグの順位が決定した。
我が応援する東洋大は惜しくも2位となり、入れ替え戦に参戦できない。
優勝は、専修大学。
専修大学は、絶対的エース菊池吏玖選手が中心。
先日行われたプロ野球ドラフト会議で、千葉ロッテマリーンズから1位指名を受けた。
最終節までもつれ込み、第1戦はタイブレークまでもつれたが、何とか5対3で勝利した。
その勢いで次戦に勝利し、優勝決定戦に持ち込みたかったが、0対2と敗れてしまった。
この時点で、専修大学の優勝が決まる。
実は、東洋大エース細野晴希投手は、この2連戦に連続して先発出場した。
このように、2日連続して先発出場は、故高橋昭雄前監督では当たり前だった。
しかし、杉本泰彦監督になって初のこと。
それだけ、この試合にかける思いが強かった。
細野投手はエースが孤軍奮闘し7回まで投げた。
残念ながら、専修大の西舘投手の前に散発4安打の0点に抑え込まれてしまい、終戦となる。
ここでショッキングなニュースが飛び込む。
東洋大監督の杉本泰彦氏が監督退任するというもの。
前監督である高橋昭雄氏の後を引き継ぎ、5年目となる。
何しろ、前監督の高橋氏は監督歴46年、東都1部リーグ歴代最多通算542勝を挙げた名将。
その後を引きづくということは、肉体的・精神的に本当にきつかったと思う。
ましてや、入れ替え戦がある東都大学リーグ。
普通の精神ではやっていられないと思う。
就任早々の春季リーグでは1部優勝を果たす。
しかし、その後では新型コロナウィルスの影響で変則的なリーグ戦となる。
その影響を東洋大がもろに受け、入れ替え戦では1部リーグ2校(東洋大、立正大)が2部に転落。
まさに、杉本監督の5年は、新型コロナウィルスとの戦いと言っても過言ではない。
退任の記者会見においても、以下のように述べている。
記者:「最も印象に残った試合は?」
監督:「コロナです。野球をやっていてる場合か?という感覚だった。」
ただ、消化試合となる専修大学との3回戦が神宮球場で行うことができたこと。
最後の指揮を執るには最高の舞台。
私は、この最終戦のスターティングメンバーに大変興味を持っていた。
なぜならば、来季のことを考えると4年生は必要ない存在。
主将の小口仁太郎選手以外は、全て下級生がスタメンだって考えられる。
しかし、蓋を開けるとスタメンの多くが4年生。
嬉しい限りだ。
個人的特に嬉しかったのは、1塁コーチを務めていた東小橋川大選手(4年:帝京三)が代打で出場し、ヒットを放ったこと。
今秋のリーグ戦は4試合観戦したが、常に東小橋川選手の元気な声が球場内に響き渡っていた。
シートノックでは1塁手として人一倍元気な声を出し、1塁コーチではバッターを励まし続けていた姿が印象的。
だから、最後の大学野球の試合で『野球の神様』がヒットをプレゼントしたのだろう。
ただ、投手陣は全て下級生が出場した。
これは、投手陣でしっかりと話し合って決めたことだと推測する。
試合は東洋大が3対1で勝利し、杉本監督は有終の美を飾り、主将からウィニングボールが渡された。
杉本泰彦監督においては、本当に気苦労の多い5年間だったと思う。
偉大な名将監督の後を引き継ぎ、社会人野球と学生野球の違いに悩んだり、コロナ禍での練習だったりだった。
温厚そうに見えて、若かりし頃は『狂犬』と言われるほどやんちゃだったともいう。
内に秘めた思いは相当あったと思う。
まずは、ゆっくり心身共に休んでいただきたい。
そして、4年生たちにも一言。
入学時は1部リーグ、そして入れ替え戦で降格、そして、今春の入れ替え戦では、ほんのあと少しで1部リーグ昇格を逃してしまった。
波乱万丈な4年間だったと思う。
そんな中でも、めげずに、諦めずに頑張った姿は頭が下がる思い。
我々東洋大学ファンも君たちのことを忘れない。
小口主将、松本副主将、廣岡捕手、東小橋川内野手、矢吹外野手・・・。
君たちの将来に幸あれ
後輩たちは、新監督のもと、この冬にもう一回り、二回り大きくなって来春のリーグ戦に臨んでもらいたい。