静岡経済研究所『調査月報』10月号で気になる記事を見つける。
それは、あるコラム。
タイトル『ゼロゼロ融資の利払いや元金返済の開始が迫り、収益力の改善が急がれる』
つい最近、『ゼロゼロ融資による不正融資』がニュースになった。
某信用金庫がノルマを達成するために不正を働いたとのことだ。
実は、私が副業で働いている福祉施設の女性職員の中に、旦那さんが建設業を営んでおり、ゼロゼロ融資を受けたと聞いたことがあった。
このようなことがあったので、このコラムの内容に注目した次第。
さて、このコラムは、我が地元静岡の信用保証協会の方が書いたものだ。
まずは、基礎知識を確認する。
ゼロゼロ融資・・・新型コロナウィルス感染拡大に伴い、飲食業、サービス業を中心に売り上げが激減する。売り上げが減った企業に対して、無利子・無担保で融資する制度。そのため、一般的に『ゼロゼロ融資』と言われる。
さて、借り手(事業者)にとって、この制度は破格の待遇であることはもちろん、貸主(金融機関)にとっても、保証協会の保証付き&自治体からの利子補給があるため、取引先に勧めやすい制度だったといえる
。
だから、上記のような事件(不正融資)が起こったのだろう。
もしかしたら、他の金融機関も不正融資が横行していたとも考えられる
さて、話を本題に戻す。
この『ゼロ・ゼロ期間』が終了するとのこと。
来年5月頃から、利払いが開始される。
この融資を受けた企業のうち、その後、収益が改善されたとは考えにくい。
なぜなら、コロナによる買い控えが続いているのに加え、物価高、燃料高、円安が追い打ちをかけているからだ。
当然、5月からの返済ができず、利払いを延滞せざるを得ない企業も出てくるだろう。
最悪、倒産が続出するという事態も想定される。
この融資が発表された時には、『藁(わら)をもすがる思い』で飛びついた企業もあっただろう。
しかし、現実問題として、収益が一向に改善しない。
厳しい言い方だが、この融資は、数年間の『延命措置』だった
このコラムにも書かれているが、保証協会も原則無償で業務改善や体制強化に向けた専門家を派遣し、金融機関とも柔軟に対応すると書かれている。
中小企業にとって、非常に厳しい状況に置かれていることは間違いない。
ぜひ、先ほど書いた『ゼロゼロ融資=延命措置』が杞憂に終わることを切に願う。