少し前になるが、静岡県のこども園で、園児が送迎車両内に置き去りにされ、死亡で見つかったニュースが流れた
。
まずは、ご遺族・ご親族のあまりにも悲痛なご気持ちを察すると言葉も出ないと共に、女児のご冥福をお祈り申し上げる。
報道で知る限りでは、置き去りにされた３歳の園児の体温は40℃を超えていたとも言われている
。
また、園児のかたわらには空（から）になった水筒が見つかっており、必死で生きようとして水分を補給していたようだ
。
本当に胸が張り裂ける気持ちになる
。
そして、それに輪をかけて、繰り返し報道されたのは、運転していた理事長兼園長（当時）の記者会見の無責任な態度や発言
。
これには、多くの視聴者の反感を買う
。
このことも重なり、今回の悲惨な事故・事件は大きく報道され、子どもを持つ親はもちろんのこと、多くの人々が運営母体の理事長兼園長に対して、怒りや批判の目が集まることとなった
。
一般的に言えば、多くの国民はこれでおしまい
。
しかし、副業で福祉施設に勤務している私にとっては、何だが腑に落ちない、もやもやした気持ちが残っていた。
そんなある日、ある報道を目にする。
『これが真相だ』と思うに至ったので紹介する
。
＜報道の概要＞
・理事長が経営する運営母体は、ここ数年で業務を急拡大させた。
・業務拡大に伴い、施設の職員数が不足する。
・どの施設も慢性的に職員不足状態。
この報道を知って、今回の事件・事故において、急遽、理事長兼園長（当時）が運転することになったことに納得する。
また、同乗する職員が派遣職員だったこと、しかも、年齢が運転手同様に70才台だった。
上記の２点から分かるように、明らかに職員不足が原因だろう
。
園児の出欠確認をしていなかったことなどもあろうだろうが、そのことも含めて職員不足も遠因といえるのではないだろうか。
行政や調査チームは、ずさんな管理システムばかり指摘する。
問題の核心には触れていない。（敢えてそうしている節がある）
実は、私が勤務している福祉施設が運営する福祉法人も、ここ数年で多数の施設を開設してきた
。
それに伴い、新規施設へ既存施設からも多数職員が異動する。
既存施設は、元々職員が不足しているのに、さらに事態が深刻になっている現実がある
。
数年前には、老人施設を開設することも考えていたのだが、職員が集まらずに断念した過去がある
。
だから、今回の園児置き去り事件が他人事には思えない。
確かに、理事長兼園長（当時）の会見を見たら、はらわたが煮えくり返りそうな気分になった人は多いと思う。
逆に言うと、多くの福祉関係の責任者（理事長、園長、施設長等）の資質、能力はその程度という証拠でもある。（スミマセン）
今回の事件・事故を他山の石として、我々が所属する福祉法人がどれだけ考えているかは不明。
今後、職員不足が原因による重大な事件、事故が起きないことを切に願う
。