またまた、橘玲氏の本を読む。
最近、橘玲氏の著書がマイブーム。
今回読んだ本のタイトル、『上級国民/下流国民』小学館新書。
相変わらず、衝撃的なタイトルだ。
思い浮かぶのは、元高級官僚の老人が母子を車ではねて死亡した事件。
『上級国民だから逮捕されない』と話題になった。
さて、本書を読み進める。
① 平成で起きたこと。
日本の会社の長期雇用慣行は温存され、若者(男性)の雇用を破壊した。
② 令和で起きること。
令和の前半20年は、「団塊の世代の年金を守る」。
そして、「下流国民」か溢れる、貧乏くさい社会。最悪の事態は、日本人の多くが難民化する「国家破産」の世界。
③ リベラル化する社会
「私の人生は私が自由に選択する」=「自己責任」、「リスク」を自分で引き受ける世界
。
④ アメリカ社会の構図
サイバーリバタリアン
リベラル(白人)
黒人保守派
マイノリティ(黒人・ヒスパニック)
プアホワイト(オルタナ右翼)
※ この詳細は省きます。本書を読んでください。
そして、終盤の『エピローグ』、『あとがき』に面白いことが書いてある。
・近い将来、富を得てきた知識階層の社会は終焉を迎える。
なぜなら、テクノロジーが人間の知能の限界を遥か先に行ってしまうから。
もはや。知識社会(知能)が意味をなさい。
・ベーシックインカムは破錠する。
なぜなら、貧しい人たちの「経済合理的」な行動によるから。
読み終えて、爽快感や充実感は全くなし。
将来の世界社会、日本を含めて、キラキラ案件は全くない。
しかし、悲壮感が漂わないのが不思議。
その理由を考える。
その答えの1つは、『(こんな世の中でも)ちょっとした工夫次第で何とかなる』というヒントが随所にちりばめられているからだろう。
絶望して何もしないのもその人の人生。
色々もがいて、ちょっとした手がかりを手に入れ、成功を手にするのもその人の人生。
このようなことを思わせてくれる1冊となった。