副業で働く福祉施設での話。
2週間前に、出勤した直後に女性主任から声をかけられる。
主任:「@@(私)さん、俳優の〇〇さんって知ってる」
私:「知りません。どうしてですか?」
主任:「私もよく分からない人なんだけど、障害者に対する支援(援助)を勉強したいんだって。」
私:「凄いプロ根性ですね。」
主任:「しかも、事務所を通さずに、本人が直接依頼してきたの。」
私:「益々、素晴らしいですね。」
まだ、勤務時間前。
すぐに、インターネットで彼の名前を検索。
すると、今を時めくメチャクチャ人気の若手俳優という事が判明。

<お断り>
本当なら名前を掲載したいのですが、本人の要望により実名を控えています。その理由は、この訪問は全くのプライベート(所属事務所を通していない)であるためとのことです。
実は、私自身も昨年、彼が出演している映画を鑑賞している。
今では、映画館で彼を見ない日がないと言えるほど出演している。
早速、彼のホームページを検索する。
すると、今は夏季休暇と書かれている。
その貴重な休暇をバカンスや交遊などに費やすのではなく、演技のための社会勉強に費やすとは
もはや、『プロ魂』と言うしかない。
当日が楽しみで仕方がない。(もはやただのミーハー
)
午前11時ぴったり、SUVのレクサスのハンドルを握って来所。
施設長との話を終え、施設内を見学。
その後、昼食の介助風景を一通り見たあと、1人の利用者の介助を手伝う。
昼食休憩を終えたところで、ちょうど話す機会が巡り合う。
私:「〇〇さんは中学時代に野球部でその後、甲子園出場した△△さんと同じ年ですか」
俳優:「お姉さんと同級生です。でも、△△君とは小さいころ、よく遊びました。」
私:「世の中狭いですね。」
俳優:「この仕事(障害者福祉)のやりがいは何ですか?」
私:「この世の中、富と名誉があったり、人に意地悪をしたり、憎しみあったりしますよね。しかし、この利用者さんたちにそのような感情はないです。人間の原点のような気がします
。」
俳優:「『人間の原点』ですか。(働いていて)大変なことはどんなことですか
」
私:「基本的に大変なことばかりです。こちらがこうしたいと思っても、ほとんど思い通りにはいきません
。でも、何気ない会話、しぐさ、行動に癒されたり、感動したりするところがやりがいです
。」
俳優:「(話を聞かせていただき)ありがとうございました。」
私:「こちらこそ、ありがとうございました。来月公開される映画、楽しみにしています。これからも頑張ってください。期待しています。」
他の職員に聞いたのだが、彼がこのように障害者施設を訪問した1つの理由。
それは、彼が信頼している映画監督が『障害者施設』に大変興味を持っているとのこと。
そのため、彼は障害者施設で働いている職員の生の話や利用者の様子を直に見たいとの思いからだという。
最後に利用者全員と記念撮影をする。
そして、嬉しいことに職員と個別に撮影することが許される。
特に女性職員はテンションが高い。
私もちゃっかりと撮影した。(撮影を掲載できないことをお許しください)
一通り、撮影が終わり、帰京の時間になる。
嫌な顔、疲れた顔を一切見せず、真剣に職員の話に耳を傾け、利用者とはひざを曲げて、同じ目線で話をする態度は本当に好感が持てる。
利用者の中には、奇声を挙げたり、挙動不審な行動を取ったりする人もいる。
しかし、彼は物怖じすることなく、丁寧に接していた。
帰られた直後、施設内の中央に位置する巨大テレビには、彼がCMで映し出され登場した。
何だか不思議な気持ちになる。
ぜひ、今後の更なる活躍を期待したい。
我々職員にとっても、夢や希望をもらった1日となった。