静岡経済研究所発行の『景況リポート8月号』が届く。
今回のタイトルを見ても、厳しい状況ということが一目で分かる。
表表紙に出てくるキーワードを以下に示す。
・物価高と円安
・感染再拡大
・(県内景気に)下押し圧力
・コロナ再拡大
・勢い弱く
早速、7~9月期の静岡県内主要産業の四半期見通しから、気になる業種を見ていく。
<比較的好調>
・工作機械
グリーン化や省人化、電動化など次世代に対応した製品開発への需要が高い。
中国のロックダウンを影響を受けながらも海外向けが活況。国内も幅広い業種で需要拡大。
・情報サービス
大手企業の旺盛なIT投資意欲に支えられ、堅調を維持。
コロナ禍でIT投資の機運が高まり、安定した事業環境が続く。
<上向き予想>
・観光・レジャー
コロナ前の水準には戻っていないが、前年を2~3割上回る。
県内主要旅館の売上高はコロナ前に届く可能性が出てきた。
「全国旅行支援」は開始時期こそ先送りされているが、宿泊旅行は回復しそう。
・民生用電器部品
半導体や部品調達難で計画通りの生産ができなかったが、ピークが後ろ倒しとなり増加。
冷蔵庫の部品調達は安定しており、前年実績を確保できそう。
<低調>
・大型小売店
百貨店は来客数が回復。スーパーは主力の飲食料品の値上げで販売量数が低迷。
スーパーは昨年の巣ごもり消費が旺盛だった時期に届かず、値上げも重なり、販売数量は伸びない。
・外食
外出自粛の緩和により、家族客を中心に来客数が回復。
エネルギー価格の高騰、食料品の上昇に伴い、収益が懸念される。
<厳しい>
・自動車販売
サプライチェーンの混乱などから、メーカーからの供給が滞って、需要に対応できず。
生産の低調により、在庫が少ない状況が続く。
・建設
公共事業の契約高は回復傾向だが、民間工事が依然として厳しい。
・住宅
価格上昇で購入を控える動きが増加。
輸送費の高騰、円安の影響で外材価格が高止まり、収益面も厳しい。
ここから、私見を述べる。
物価高、燃料高、円安を直接影響する業種は、非常に厳しい。
特に、円滑に『サプライチェーン』が進んでいないとたちまち、滞ってしまう。
また、単に売上高を確保できたと言って、手放しで喜べない現実がある。
なぜなら、原材料費、食料品、光熱費の高騰により、肝心の収益を圧迫しているから。
非常に不安定な現在の社会状況は、経営者にとって大変なストレス。
先の見えないことが今後も続きそう。
アンテナ(情報)を高くはっていくこと、やれることは即、実行に移すことを常に心がけたい。