以前、野球解説者の里崎智也氏、江本孟紀氏共著の『野球の正論』を読む。
本棚から引っ張り出した。
書店に行くと、その第2弾が発売されていたことを知る。
その名も『野球の超正論』徳間書店 ¥1,500円 2020年
早速購入し、読み進める。
2人は忖度や世間体を気にしてカッコつけることがない。
そのため、本音で語り合っているため、ついつい引き込まれてしまう。
ただ、この本が2020年12月に発売されたので、今から約2年弱前の話。(ちょっと古い
)
今現在の状況と異なっていることがあるのも、逆に面白い。
ここでは印象に残ったことを6つ取り上げる。
※私見は⇨以下となります。
①読売巨人軍は、2019、2020年の2年連続でソフトバンクホークスに4連敗を喫す。
このことに対して両氏は巨人軍はもとより、セントラルリーグに対してこき下ろしている。
⇨『人気のセ、実力のパ』と言われて久しい。
それにしても、これだけ力の差があるとガッカリしてしまう。
自身もファーム戦(2軍戦)を実際に間近で見て、パリーグ選手のバッティングの豪快さ、迫力は目を見張るものがある。
②巨人原監督の「鬼の形相」、一方、阪神「兄貴」矢野監督。
原監督はどんなに首位を独走していても、チームの緊張感を維持し続けたこと。試合中の巨人軍ベンチを写した映像では「鬼の血相」でいた事が多い。
一方、矢野監督は、大差で負けている時のショボイヒットでも選手はガッツポーズをみせるり、それを受けて監督も拳を上げる。少年野球じゃないんだからさ。
⇨自身が監督時代、試合中に選手と共に喜ぶことはしなかった。
常に、先々のことを考えることで頭がいっぱい。それに相手チームにも失礼。
喜ぶのは、試合終了を球審が告げたあと。
原監督はあえて、演技をしての「鬼の血相」だったと思う。自身も大差で勝っている時はチームを引き締めるために、あえて喝を入れたものだ。
③ヤクルトスワローズをこき下ろす。
首位の巨人から25ゲーム、5位の広島にも12ゲーム離されて、逆の独走の最下位。
「高卒ルーキーの奥川泰伸投手に開幕投手もある」という報道、40歳を過ぎた石川雅規投手にローテーションの一角を任すということも理解に苦しむ。
⇨その翌年、ヤクルトはリーグ優勝、そして、日本一になる。
今年もリーグ戦を首位を独走中。
私の見立ては、高津監督の選手起用が素晴らしい。
山田哲人、村上両選手はいるが、決して選手層が厚いとは言えない。
選手たちの力を最大限に引き出せる環境づくりは素晴らしいと思う。
④ロッテ佐々木朗希投手、エンジェルス大谷翔平選手をズタボロに酷評。
里崎氏曰く「佐々木が高校時代に体が鍛えこまれていなかったから、プロの練習にもついていけていないんだと思っています。」
江本氏曰く「大谷はメジャーで二刀流を貫き通そうとしているけど、(略)どだい無理な話。」
⇨両選手ともに、今現在大活躍している。
逆に、忖度なく堂々と発言している2人が素晴らしい。
はっきりとモノが言える人が少なくなっている気がする。
⑤「負荷をかける練習」が古いという風潮に物申す。
努力型の人が天才型の人と同じ量の練習をこなしても、天才には追い付けませんし、天才型の人が努力型の人と同じ練習をしても、ただ壊れてしまうだけかもしれない。
そうした見極めをしていくことも、指導者たちには必要なことなんです。
⇨石井琢朗横浜コーチも、同じように基礎練習が大切と言っている。
『基礎をおろそかにしてもらいたくない。ポテンシャルはすごくいいものを持っているので、それに見合った土台(基礎)づくりをしておかないといけない。』
基礎練習とは、単調で苦しいものだ。
しかし、このような「負荷をかける練習」から逃げては、華やかなプレーは生まれない。
それには時間もかかる。
当時の上司が私に放った言葉。
それは、『@@君(私)、最小の努力で最大の成果をあげるんだよ』。
もはや、迷言としか思えない。
カッコいい場面しか見ず、泥臭く長い時間かけて努力することを嫌がる風潮が世間にはびこってい気がしている。
それにしても、2人(江本氏、里崎氏)の痛快な話に引き込まれてしまう。
2人はそれぞれ動画配信も行っている。そちらも見ていきたい。