前回書いた『樹木希林120の遺言』と同時に、書店に並んでいた本で、与沢翼『ブチ抜く力』が目に入ったので、これも購入。
その中で、特に印象に残ったことを紹介したい。
『良い仕事をする人は、いつでも会社を辞めてもいいと思っている人である』であるというフレーズである。
私は以前、公務員をしており、まさに書籍に書かれているどんどん衰退していく組織の「事なかれ主義」のまさに典型であった。(だから、その組織の中で私は異端児であったのか・・・)
話は変わるが、不動産投資は、市場原理に基づき「できるだけ安く手に入れて、それに付加価値をつけて高くする」という考えである。
究極の話をすると、『(だましたり、強迫したりは決してしないが)相手の弱みを突き、安く手に入れる』のである。法の下で許されていることとはいえ、心が痛むことをしているのである。
売買契約時に、相手側はニコニコしていることが多い。しかし、本心は決してそうとは限らないのである。(だましあいでもある・・・)
私は不動産投資以外に福祉施設における仕事にも従事している。
私にとって、この福祉の仕事は本当に楽しく、朝、仕事に行くとき『今日は行きたくない』とネガティブに思ったことは一度もない。(公務員時代は、何度もあった・・・)
なぜだろうと考えたら、『(施設を利用している)今日は、利用者さんとどんな1日を過ごせるだろう、会いたいな』という気持ちが根底にあることに気づいた。
これは、もはや、市場原理等の理屈ではなく、人間としての根底にあることだろう。
最初の著書のフレーズに戻るが、
『良い仕事をする人は、いつでも会社を辞めてもいいと思っている人である』は、
私に当てはめると、
『不動産投資という根底があるからこそ、心にぎすぎすする原因となりうる賃金や待遇に対して不満はなく、全ての利用者、職員、管理者に感謝し楽しく福祉の仕事に取り組めている』
のだと思う。