白い着圧ソックス | 半径2kmの日常

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3月末に、上の娘がワケあって大学病院の歯科で全身麻酔を使って抜歯をした。

 

「ワケあって」のワケとは、掛かりつけの歯科クリニックで親知らずの抜歯をしようとしたら、治療器具が口の奥にいくたびにえずいてしまい抜歯できなかった、というものです。

なかなかに情けないワケありなのである。

 

紹介されて新潟大学医歯学総合病院 (略して 新大病院) の歯科に入院し、全身麻酔で親知らず4本を一気に抜歯した。

全身麻酔とはいえ、抜歯なので手術のうちにも入らないんですけどね。

 

その上の娘が、麻酔の際に装着する血栓予防のための着圧ソックスを、家でも使っていたのだ。

全身麻酔術の経験のある方はご存じと思いますが、フットポンプのふくらはぎに巻くエアが入るシートが直接肌に触れないように履く、膝上からつま先まであるアレです。

 

自身で購入した市販の着圧ソックスは膝下から足首までのものだから、病院で履いていたのが長くて気に入ったと言って、家で過ごすときはそれを履いているらしい。

 

そう、目的は美容!

足のむくみを取って、その上あわよくば足も細くな~れ、ということらしい。

そりゃまぁね、むくみが取れればその分細くはなるよね。

とはいえガチの再利用にはちょっと驚いた。

 

よく言えば物を大事に使う人だし、悪く言えばちゃっかりしたケチッ子だなと思ってしまった、私は。

私は、自分が開腹オペをした際に履いた血栓予防の着圧ソックスを退院後にどうしたかなんて、まったくもって記憶がない。

十年以上も前だし。

 

要するに、抜歯で全身麻酔だから体力的にも精神的にも余裕のよっちゃんだったのだ。

何事もなかったからの結果なので、まぁよしとしている。

 

二泊三日の人生初の入院生活もかなりエンジョイしていたようだ。

抜歯で外来へ行く日に、お会計が終わったらまた院内のタリーズに行くと、すでにウキウキなのである。

入院が短すぎて院内を探検できなかったのが残念、などとほざいていた。

 

先が見えない治療を続けている方や、高度先進医療や治験などをしている方などに対して、「私の能天気な娘が大変失礼をしております、スミマセン」という気持ちがある。

いやほんとにスミマセン。

 

何事もなく平穏無事、怪我や病気も大したことなくて済んだ、というのが一番の幸せなのかもしれないなぁと、つくづく思ったのだった。

 

ところで、コーヒーを飲まない上の娘は、タリーズで何を注文しているんだろうか。

それがちょっと気になる。