今日は、感染症対策バッチリで山本康寛さんのテノールリサイタルへ行ってきました。
現在藤原歌劇団の特にベルカントオペラ公演には欠かせない存在になっている山本さんのリサイタルですから詳細が出てからずっと楽しみにしていました。オペラもコンサートも何度か聴く機会はありましたが、山本さんメインのリサイタルは初でした。最近ベルカント系のリサイタルが少なかったこともあり、このリサイタルが日々の生活のモチベーションになっていたので、ようやく聴けて幸せ一杯です。聴くために生きる!!食べる前に飲む!!を合言葉に生きてきました(ただ言いたいだけじゃねぇか)
場所は、代々木八幡(代々木公園前)から歩いて5分程の場所にある白寿ホール。有名なホールですが今回初体験でした。こちら座席数300人程度の小さなホールですが、感染症対策の為に100人限定で席が販売されたので、小さな映画館のような雰囲気の中、とてもゆったりと楽しむことが出来ました。4列目のセンター近くで聴きましたが、前から2列目までは使用しなかったので実質2列目での観賞の感覚。そこで聴いたホールの音響はとても良かったです。前で聴くと直接的な声が届いてくることが多いのですが、4列目にして想像していた以上のホールの響きがあったので驚きました。
さて、このリサイタルは五島記念文化賞 オペラ新人賞研修成果発表のためのリサイタルということで、あまり一般的とは言えない非常に濃い内容のプログラムが組まれていました。だからこそこちらとしては生唾ものだったわけです。
全プログラムの活字化は割愛しますが、下の方にプログラムの写真を貼っておくのでそれをご覧ください。ベルカント&ロッシーニ祭そんな素敵なプログラム。知らない曲がひとつもないのに決してメジャーどころでないという素敵なプログラム。
僕が好きだったのは下の通り。
①アダン作曲 歌劇『ロンジュモーの御者』より「友よ、物語を聞け」
②ボワエルデュー作曲 歌劇『白衣の婦人』より「ああ、兵士とはなんと楽しいのだ」
③ドニゼッティ作曲 歌劇『連隊の娘』より「あぁ友よ!なんと楽しい日!」
④ロッシーニ作曲 歌劇『オテロ』より「なぜ憐れんでくれないのです」
⑤歌劇『オリィ伯爵』より「悲しみの餌食となり」
⑥同上「ああ、どれほどの敬愛を」
①②は、フローレスのフランスオペラアリア集をルーティンで聴いてる私としてはガッツポーズ。ほとんど生で聴いたことがない曲を山本さんで聴けた喜びと、更に、これら2曲が山本さんにとても合っていたのでノリノリで聴き入りました。言い回しも上手いし、いきなり出るアクートが鬼です(笑)
ちなみに、以前②に関しては山本さんで聴いています。
③は、もう拍手しかないです。ハイCきめまくり。あまりにもCが普通だからそのうちDくらいをさらっと盛り込んでくるんちゃうかみたいなそんな余裕すら感じました。っとてたた
④はそれまでの曲に比べて、会場の空気感も張り詰めたものになっていたように感じました。前半は表現力で聴かせて、後半は高いアジリタの技術がなければ不可能な、ヴァリエーションを存分に披露してくれました。とても良かったです。
⑤はゲストの光岡暁恵さんによる歌唱。彼女が完璧に歌い上げてくれたので、コロナ渦でなけらばBravaを連呼したいくらいでした。上手すぎる!!イタリア香りがしてきそうな洗練された様式美!!藤原の『オリー伯爵』以来のアデル伯爵夫人のアリアでしたが、今回も最高でしたよ。日本のルチアーナ・セッラです!!前々から言ってますけど(笑)
⑥は表情たっぷりに二人が掛け合う姿が印象的で、藤原の看板ベルカントの二人が、疲れることを知らずに120%の力で歌っていてとても楽しめました。
その他にも清教徒やセヴィリアなど良かったものが色々あるのですが、特に良かったものだけに絞らせてもらいました。
また、全体的に、いけそう…ではなく、やるんだ!!みたいな感じでガンガン高音を攻めていく姿が随所に見られてかっこよすぎでした。
今回全てのピアノを担当されたのが、日本のベルカントを牽引しまくり千代子なマエストロ園田さん。終始楽しそうに弾いていた姿が目に浮かんできます。オーケストラの音をピアノで再現するというより、そこから更に何歩か進んで、むしろピアノでしか出せない音で歌い手をサポートしていた感じかしました。全てを知り尽くしてるマエストロ園田はやはり偉大です。ピアノから、作曲家への敬意と愛を音となって聴こえてくるんです。こっちはそんなピアノが終始聴こえてくるものだからテンション上がっちゃって上がっちゃって。山本さん達も安心して任せられたのではないでしょうか。テンポも休符明けのタイミングも僕の感覚としっかり合致したのがこれまた嬉しかったです。ふふふ。
アンコールは、「からたちの花」(山本)、ドニゼッティ作曲 歌劇『夢遊病の女』より「ようこそ皆さん…私にとって今日という日は澄みわたって新しく明けてくれたのでしょう」の後半部分(光岡)、ロッシーニ作曲 歌劇『ランスへの旅』より「かのお方の神々しいお姿は」の後半(二人)でした。いやー、あのー、山本さん、あなたはどれだけ盛り込むの?(笑)すごすぎるわ!!!(笑)盛りだくさんで最高でしたよ!!
最後の挨拶で山本さんは、「楽しむことは悪いことではない。対策をして楽しめばいい。北海道では水道の蛇口を閉めてしまうと、寒さで凍って次に水が出てこなくなってしまう。だから少しでもいいから水を出しておく必要があるということを聞いて、まさに歌の世界もそうだなと感じた」とおつしゃっていました。僕もその通りだと思います。それをたどたどしく話して、最後まとまらなくなっちゃいましたけど、僕はそこも含めて、今日のリサイタルで、山本康寛という男をまた好きになりました。







